読書日記

  無心

 『シンプルマインドのすすめ』(鷲田小彌太)より、
 シンプルマインドは、何ものにもとらわれずに、素直に考えようとする。しかし、人間の心は、誰のものであれ、つねに、すでに何ものかにとらわれているのである。
 シンプルマインドに、心を無にできないから、人間は悩み、苦しみ、不幸を味わうのである。
 いろいろなものにとらわれている心の状態を、無の状態にする、というのが「無心」の、純粋シンプルマインドのあるべき姿ではないだろうか。
 シンプルマインドとは、「心に悩みがない状態」。
 人間が悩み、苦しみ、不幸な気もちになるのは、そういう考え(不幸になる考え方)をしてしまうから。それは何ものかに心をとらわれているからかもしれません。

 心がとらわれているのは、何かへの「欲」かもしれません。お金、地位、勝ち負け、愛、様々な快感、・・・。
 このような欲があることは決して悪いことではありません。欲にとらわれて大切なものを見失ってしまうことがよくないのです。

 心がとらわれているのは、「感情」かもしれません。
 怒り、嫉妬、悔しさ、恐怖心、不安、寂しさなどの悪感情が強くなると、自分の考えや行動が流されたり振り回されたりしてしまいます。それは過去にとらわれていると言えるかもしれません。

 心がとらわれているのは、「自分の考え」かもしれません。
 「こうしなくてはいけない」「こうあるべきだ」というような思い込み、あるいは常識や世間体のようなものに心がとらわれているために、出口が見つからなくなっているのかもしれません。

 いちばん難しいのは、自分が何にとらわれているかに気づけること・わかることだと思います。
 悩んだ時、苦しい時、不幸な時に、「自分は今何かにとらわれているのではないか? それは何かへの欲か? 強い悪感情か? 何か思い込みか?常識か?人の目か?」などと自問できるようになれるといいのではないでしょうか(一つのことにとらわれないための幸せになる考え方)。
 自分がとらわれているものに気づくことができれば、覚悟したり我慢したりあきらめたりすることで、とらわれから放れられることが多いと思います。

 とらわれないために必要なのは“素直な心”ではないかと思います。
 それがいちばん大事なシンプルマインドなのかもしれません。



   

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