読書日記

  嫌なことを反芻しない

 『怒らないこと』(アルボムッレ・スマナサーラ)より、
 赤ちゃんは、花を見たら笑うし、お母さんにきつく言われたらすぐなくし、それで終わってしまいます。過去の嫌なことを、ぐちゃぐちゃと反芻したりはしません。
 でも、大人は違います。嫌なことをしつこく覚えておいて、思い出したり、そういうろくでもない概念をまた延々と回転させるのです。
 怒りはどんどん膨張して、他人を破壊する前に自分を破壊して、不幸を味わってしまいます。
 嫌なことがあっても、その場だけに済まして、忘れてしまえば、問題はないのです。
 それを思い出してしまうから、怒りの感情が残ってしまうのでしょう。
 怒りの感情に流されて(原因探しをして)余計なことを考えてしまうから、怒りは増大して(時には、憎しみや恨みにもなって)しまいます。
 そのたような考えを繰り返して(反芻して)しまうから、自分の心の中で問題を大きくしてしまうのです。

 怒り感情は、相手に対するものですが、実際には自分とっての害のほうが多いのでしょう。
 自分の怒りが原因となって、人間関係を悪くしたり、八つ当たりをしてしまったり、悪いことをしてしまったり、自己嫌悪に陥ってしまったりすることにもなりかねません。
 怒ると健康や美容にもよくない、とも言われます。
 イヤな気分で過ごす時間が増えるだけでも、よくないでしょう。その分、幸せに過ごせる時間が減ってしまいます。
 「怒ってもいいことはない」「怒りは毒」「怒りは自分を醜くする」などと考えられるといいでしょう。

 子どものように、嫌なことはケロッと忘れて、今を楽しめるようになるといいのでしょう。
 といっても、つい思い出してしまうのでしょう。それはしかたがないと思います。
 そういう自分の考えに早めに気づいて、「こういう(不幸になる)ことを考えるのはやめよう」とストップできるようになるといいのではないでしょうか。
 「こんなことを考えるより、○○しよう」のように切り替えられるようになると、なおいいでしょう。



   

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