読書日記

  無常観と忘れる能力

 PHP8月号の特集は『もう一度がんばれる!こころの立てなおし方』。
 瀬戸内寂聴さん(作家・僧侶)は、
 今辛い思いをしている人は、物事は必ず移り変わると考えてほしい。「無常」というと、「この世のはかなさ」ととらえる人が多いけれど、私は「この世は常ならず」と解釈しています。

 何事も、同じ状態は続かないのです。
 そうして記憶が薄れていくことに罪悪感を抱く人もいます。しかし、人間は忘れるようにつくられているんです。この「忘れる能力」というのは「救い」です。
 一時的に不幸になることはあります。この世は「無常」であり、幸せがずっと続くことはないのです。誰でも時には不幸になるのです。
 でも、不幸はいつまでも続くわけではありません。
 無常を知り希望をもつことが立ち直る第一歩だと思います。

 「忘れられない」と悩む人は、なかなか立ち直れないでしょう。
 「忘れられなくてもいい」と考え、「こんなことを考えるより、○○しよう」のように心を切り替えられればいいのです。
 それができるようになると、自然と忘れていくのではないかと思います。

 “忘れる”というのは、人間がもっているとても優れた能力の一つだと思います。
 記憶のどこかに残っていても、忘れて生活することができます。
 (現在抱えているものも含めて)不幸を忘れることによって、幸せに過ごすことができます。

 “忘れる”という能力は、人間が本来もっているものでしょう。
 幼い子どもは、悪いことがあっても(たとえば、ケンカをしても)、すぐにケロッとしてまた遊び始めます。

 でも、大人になるとなかなか忘れられずに、不幸を引きずってしまう人がたくさんいます。
 「忘れよう」と思っても、忘れられるものではありません。(返って、逆効果)
 「忘れられない」と悩み苦しむのは、心の傷を自分でつっついているからかもしれません。

 人間には“忘れる”という素晴らしい能力があるから、どんなに不幸なことからも立ち直ることができるのだと思います。
 忘れられるから、いいことがあれば笑ったり喜んだり楽しんだりできるようになるのです。



   

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