読書日記

  無常を知る

 『人生を100%活かす』(アルボムッレ・スマナサーラ)より、
 無常を知っている人は、どんなに幸福であってもクールなのです。また、不幸になったとしてもそのときもクールなのです。そのような人々は、死ぬときまで冷静で落ち着きがあり、ストレスもなくニコニコと生きていられます。
 それが正しい幸福であり、すべての人間が平等に獲得できるものです。決して特定の人間だけが味わうものではありません。
 「無常」とは、「一切のものは、生じたり、なくなったり、変わったりして、決して一定ではないということ」。
 これも釈迦の教えの一つです。

 幸福なときに、素直に幸福を感じるのはいいことだと思います。
 中には、これが本当の幸福なのだろうかと自分の幸福を信じられなかったり、その幸福を失うことを恐れたりして、幸福を十分に感じられない人もいます。
 すべては無常であり、幸福感もいつまでも続くわけではありません。もっていた幸福を失うこともあるのです。
 そういうことを知った上で、今この瞬間の幸福感を大切にできるといいのだと思います。

 不幸になったとしても、不幸も無常であり、やがて解消するとわかれば、そんなには苦にしなくてすむのでしょう。
 どんな不幸も、一生不幸な気もちが続くことはなく、ちゃんと生きていればいずれ幸せな日々もくるはずです。

 幸不幸はそのときの自分の考えしだいで、けっこう変わると思います。自分(の心)の成長によって、同じものでも幸不幸が幸せ向きに変わっていくこともあります。
 「諸行無常」「万物流転」をこのように考えることもできるのです。

 無常を知ることで、目先の出来事にあまり振り回されずに、心静かに、ラクな気もちで、できるときには笑顔で生きていけるようになれるといいのではないでしょうか。
 それは、自分の心を変えることだけで、ほとんどの人に可能なことなのだと思います。



   

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