読書日記

  生命力の表現

 『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)より、
 与えることは、自分のもてる力のもっとも高度な表現なのである。与えるというまさにその行為を通じて、私は自分の力、富、権力を実感する。
 この生命力と権力の高まりに、私は喜びをおぼえる。私は、自分が生命力にあふれ、惜しみなく消費し、いきいきとしているのを実感し、それゆえに喜びを覚える。
 与えることはもらうことよりも喜ばしい。それは剥ぎ取られるからではなく、与えるという行為が自分の生命力の表現だからである。
 自分が幸せになる方法としての「愛」は「人を幸せにする」こと。それは「幸せを人に与える」こととも言えるでしょう。
 人を幸せにする行為は、質の高い自分の表現方法なのでしょう。

 能力は外に表さなければ、ないのと同じです。自分の力を人前で発揮できることは、自分の力の大きさを確認できることでもあります。それをやれる心やエネルギーがあることを示すことにもなるでしょう。
 それを自分の生命力や存在価値を表すものと考えてもいいのではないでしょうか。

 与えること(人を幸せにできること)は自分の喜びにつながることです。
 相手の幸せな様子を見れば、それを為した自分の喜びは大きいでしょう。
 自分にそういう力のあることを喜ぶこともできるでしょう。その力が進歩しているのを実感できることも喜びです。

 「受けるよりも与えるほうが幸いである」という言葉もあります。
 与える喜びのために与えることができるようになり、人を愛する幸せを感じられるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

次の日の日記

最新の日記

愛するということ』エーリッヒ・フロム

ホームページ