読書日記
生まれつきに反した望みを抱く者は
『イソップ寓話集』より、
驢馬(ろば)がきりぎりすたちの歌うのを聴いて、彼らの良い声が羨ましくなった余りに、何を食べてこのような声を出すのかと尋ねました。すると彼らは「露です。」と答えましたので、驢馬は露を待ち受けているうちに、お腹が空いて死にました。。
こういう風に、またその生まれつきに反した望みを抱く人もそれをとげ得ないばかりか、非常な不幸に遭うものです。
自分に合った望み・目標をもつことが大切です。
達成可能な目標をもたないと、苦労するばかりで、結局あきらめることになり、不幸になってしまうものです。
また、つまらないことやイヤなことや悪いことなど、自分の心が望まないことをやって目標を達成できたとしても、あまり幸せではないのではないでしょうか。
この驢馬がきりぎりすの歌を「いいなぁ」と思えるのはいいことですが、その声を自分に求めるのは無理なことです。声の質は生まれつきのものですから。(その上、そうなるための手段が食べ物では・・・きりぎりすも「露」などと・・・)
こんな愚かな人間はいないと思いますが、自分に合わないものを羨んだり求めたりして不幸になっている人はけっこういると思います。
人のいい所を認めるのはいいことです。それを見本に自分を向上できるのなら、なおいいでしょう。
でも、自分に合わないもの求めることで、自分を苦しめるのはよくありません。
また、自分にないものばかりを考えずに、自分にあるもの(いい所)にも目を向けられるといいでしょう。
自分自身と自分の幸せを知り、自分にあった(自分が幸せになれる)生き方ができるようになれたらいいのではないでしょうか。