読書日記

  人生は点線だ

 『養老訓』(養老孟司)より、
 私は最近、「人生は点線だ」と言っています。意識を考えてみれば点線だということです。誰でもしょっちゅう意識が切れているじゃないですか。夜寝るとき、昼寝するとき、必ず意識が切れます。毎日毎日無意識状態を経験しています。

 死ぬということは最後に意識が切れてもう戻ってこない状態です。
 心の持ち方として、寝るときと同じくらいに考えておけばいい。どうせ死ぬということは、よくわからないことなのです。
 死ぬということを素直に人生の一部として当然考えに入れておく。それがやっぱり自然ですから。
 「一日一生」という考え方があります。「今日一日を一生」と思い、一日一日を大切に生きるための考え方です。
 朝起きた時に、「きょうも生きていて幸せ」「きょうはこれを頑張ろう」「きょうはこれを楽しもう」などと考える。
 一日の終わりに、「きょうもよくやった」と充実感を感じる。
 寝る前に、「きょう一日無事に生きられた」「幸せだなぁ」などと、幸せな気分で眠りにつく
 こんなふうに一日一日を過ごすことができたらいいのではないでしょうか。

 「一日一生」と考えれば、人間の死も一日の終わりの一つです。
 そう考えれば、死についてあれこれ考えて悩まなくてすむのではないでしょうか。
 死についてせっかく考えるのなら、死を想うことで、生(の大切さ)を感じることができるといいでしょう。
 また、「生きているうちにしたいこと」を考えてみるのもいいでしょう。

 実際に生きられるのは今だけです。
 幸せを感じられるのも今だけです。
 幸せになるためには、「今を大切に」できるようになることが肝心だと思います。



   

次の日の日記

養老訓』養老孟司

ホームページ