釈尊のさとりを象徴する「観音さまのこころ」の一つが「慈悲」です。どんな人にも、どんなに苦しい状況でも、裏切られても、友情と思いやりを保ち続ける……「慈悲」の心を身につけるのはとても難しいことでしょう。
「慈」は「友情」の意味ですが、特定の友だけにでなく、誰れ彼れの別なく友情をささげるという意味です。
また「悲」は悲しみではなく、うめきです。わが苦悩にうめいた者だけが、他者の苦悩のうめきに同苦できる思いやりをさします。
また、慈悲は愛と異なります。慈悲は同じ床(フロア)にあっていとおしみあうので、高いところから施すものではありません。
また、裏切られたとき憎しみに変わる愛と違い、背かれれば背かれるほど、裏切られれば裏切られるほど、憎しみよりもあわれみを増すのが慈愛です。
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