第7講 人を愛する幸せを感じられるようになるために
4 人を愛する幸せを感じる
人を愛することで感じられる幸せには、次のようなものがあります。
第一は、「相手を幸せにすることを考える幸せ」です。
自分の大切な人・幸せにしたい人のことを考えるだけでも、少しは幸せな気もちになれるのではないでしょうか。相手を幸せにする方法を考えることは、ワクワク・ドキドキできる作業でもあります。いい方法が思いつき、それがうまくいくことを想うと、幸せな気もちになれます。
また、人の幸せを考えている時間は、自分のことを考えて不幸にならないことも大きいのではないでしょうか。
第二は、「相手にやさしい気もちで接することができる幸せ」です。
これを実践するのは難しいかもしれませんが、それができた時にはとても気もちがよく、自信にもなります。私は、自分のやさしい気もちが好きです。
第三は、「相手が喜ぶ幸せ」「相手の役に立てる幸せ」です。
相手が喜ぶ姿を見たり、相手の役に立てたと思えたりすると、本当に幸せな気もちになれます。その時に、相手の気もちを思いやり、相手の喜びや幸せを我が事のように思うことができれば、より幸せを感じられるでしょう。
第四は、「相手に感謝される幸せ」です。
「愛は無償」「見返りを求めない」などとよく言われますが、それなりのものが相手から返ってくれば、こんなにうれしく、幸せなことはありません。自分の心が相手に確かに伝わった証しでもあります。
「ありがとう」の一言でも、とてもうれしく感じられます。
中には、お返しをしてくれる人も、恩義を感じて接してくれる人もいます。そういう人の存在をとても幸せに感じられます。
第五は、「人を愛せる自分を好きになれる幸せ」です。
人を幸せにすることを自分の幸せとし、それを実践できる自分は、好きになれるのではないでしょうか。
人を愛することは生きがいにもなります。人の役に立てることは、自分の存在価値にもつながります。
人を愛せる自分を尊重できることは、とても幸せなことです。
と、ちょっと大げさに書いてしまったでしょうか。
でも、人を愛することで得られる幸せは、多く・強く・良質だと思います。
このような幸せを感じられるようになるためには、とにかく実感することだと思います。
相手が喜ぶ姿を見たり、相手の役に立てたと思えたり、心から「ありがとう」と言ってもらったりする経験を積み重ねることが何よりだと思います。
ただし、人を幸せにすることにはリスクがあります。うまくできない場合も、相手が受け入れてくれない場合もあります。
リスクがあるから、うまくいった時の喜びが大きいのかもしれません。
「人を幸せにすることが自分の幸せ」と思えるようになるために、人を愛する努力を続ければ、少しずつ人を幸せにできるようになり、幸せを実感できるようになれるのだと思います。