第7講 人を愛する幸せを感じられるようになるために
2 相手を幸せにすることを考える

 人を幸せにするためには、まず、どうしたら相手を幸せにできるかを一生懸命に考えることです。
 相手の幸せを考えるのは、「相手といっしょにいる時」と「(相手といっしょにいない)ひとりの時」があります。

 相手といっしょにいる時に、相手の幸せを考えられる人はそう多くはいないでしょう。たいていの人は無意識のうちに「自分(の幸せ)のために」考えています。
 いっしょにいる時に、相手の幸せを考えられるようになるための第一の方法は、好い気もちで相手に接することです。

 相手に対するやさしい気もちや思いやりの気もちがあれば、相手の幸せを考えやすいでしょう。逆に、相手の幸せを考えることで、自分がやさしい気もちになれるのです。この自分のやさしい気もちは、幸福感の一つにもなるでしょう。

 いっしょにいる時に相手の幸せを考えるヒントは、目の前の相手のすべてです。
 相手の様子や言動をよく見て、よく聞いて、今相手が望むこと・喜ぶこと・幸せになれることを想像できればいいのです。
 たとえば、今相手が望んでいることがわかれば、それを叶えるために自分ができることが何かあるかもしれません。今相手が困っていることがあるのなら、何か手助けできることがあるかもしれません。現在の相手の状態が悪そうな時にはいたわってあげることができるでしょう。今相手が悩んだり落ち込んだりしている時には、相手の話をよく聞いてあげたりして力になれることがあるのではないでしょうか。

 ひとりでいる時に、相手の幸せを考えることも大事なことです。
 いっしょにいる時に、相手を幸せにする方法を即座に思いついて実践することは難しいかもしれません。ひとりでいる時に、時間をかけて考えれば、それだけいい方法が見つかりやすいでしょう。
 相手の幸せを考えるヒントはいろいろあります。

 幸せは人それぞれですから、まず相手を知り、相手が望む幸せ・喜ぶ幸せを見つけることが大切です。そのためには、相手本位に考えることが第一だと思います。

 相手への感謝の気もちから、相手を幸せにすることを考えるのはいい方法です。
 相手が自分のためにしてくれたことを思い出して感謝すれば、それに報いるためにはどうしたらいいか?と考えれば、何か思いつくのではないでしょうか。
 相手への感謝の気もちから生まれた行動は、自然で役に立つ相手を幸せにする方法が多いでしょう。

 相手が今何をしてほしいと思っているかを考えてみるのもいい方法です。
 「人がしてほしいこと」はたくさんあります。

 相手がしてほしいことを確実に当てるのは容易なことではないかもしれませんが、たとえ多少見当はずれでも、あなたの誠意だけはきっと相手に伝わるのではないかと思います。

 ふだんから、相手の幸せを願い、相手を幸せにすることを考えていれば、実際に相手を幸せにできた時の喜び・幸せは大きくなります。

 相手を幸せにすることを考えている時間は、自分にとって幸せな時間です。
 愛する人のことを想っているだけでも幸せな気もちになれます。相手が幸せを感じて喜んでくれることをイメージできれば、幸せの予感を感じられます。
 また、相手の幸せを一生懸命に考えることで、自分の不幸について考えなくてすむことも大きいことです。多くの人が不幸になるのは、自分の不幸について考えている時ですから。

 自分の生活の中に、愛する人を幸せにすることを考える時間をもつ習慣をつくることをおすすめしたいと思います。
 それは、自分が幸せになるための方法の一つなのです。


   

第7講 人を愛する幸せ

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