読書日記
努力より好んで為す
『努力論』(幸田露伴)より、
努力は厭な事をも忍んで為し、苦しい思いに堪えて、而して労に服し事に当るという意味である。
努力して努力する、それは真のよいものでない。
努力を忘れて努力する、それが真の好いものである。
ある人がある事に従事し、而してその人が我知らず自己の全力を其処(そこ)に没して事に当るという場合、それは努力というよりは好んで為すといった方が適当である。
幸せを得るための努力には、苦しいこともあり、それを続けるために忍耐が必要こともあるでしょう。
あまり苦しまないように、余分な力を抜いて、少しでもラクにやれるといいのではないでしょうか。
厭な事であっても、イヤイヤやらないで、やる気を出す工夫をし、自らすすんでやったほうがいいでしょう。
楽しむ工夫をし、努力を少しでも楽しむことができたら、なおいいでしょう。
『楽しんでやる苦労は、苦痛を癒すものだ』 シェークスピア
楽しめるようになることで、喜んで為したり、夢中になって為したりできるようになれたら、苦しい努力ではなくなるのです。
「努力して努力する」のではなく、「工夫して好んで為す」ことができるようになれたら好いのではないでしょうか。