読書日記

  人を嫌わない。自分のために

 『14歳からの哲学』(池田晶子)「14 友情と愛情」より、
 世の中には自分の嫌いな人、イヤな人がいる。
 でも、そういう人を嫌いだ、イヤだと思うその気持ちは、まさしくイヤなものじゃないか。自分にとってイヤなものじゃないか。
 自分にとってイヤなことはしないのが、自分を愛するということだ。
 自分を愛する人は、自分を愛するからこそ、他人を嫌うということをしないんだ。

 嫌いな人、イヤな人は、ああ、そういう人なんだな、丸ごと認めて受け容れてあげるんだね。
 むろん大変なことだよ。でも、それが自分のためなんだ。
 それができなければ、君が自分を本当に愛することはできない。
 人の好き嫌いは、誰にでもあると思います。
 好きな人は多くてもいいのでしょうが、嫌いな人が多かったり、すごく嫌いな人があるのは、よくないでしょう。そういう人と関わる度に、それだけ自分がイヤな気もちになるからです。

 「嫌い」という思いはできるだけ小さくしたほうが自分のためにいいのではないでしょうか。
 その人の悪い所をあまり考えないようにし、できればいい所も考えるように心がければ、「嫌い」という思いを少しは小さくできるでしょう。

 嫌いな人に対する時にはできるだけ受け入れる考え方を心がけ、いっしょでない時にはできるだけ考えないように心がけることができるといいでしょう。(「嫌いな人がいる」も参考)

 このような努力は、相手のためにではなく、「自分(の心の平穏・幸せ)のため」と考えればいいのです。
 できるだけ自分にイヤな思いをさせないということが、自分を大切にすることであり、自分を愛することになるのではないでしょうか。



   

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14歳からの哲学』池田晶子

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