孤独というのはいいものだ。友情もいいけど、孤独というのも本当にいいものなんだ。孤独をイヤなものと思うのは、自分の愛し方を知らないから。自分を愛するとは、自分で自分を味わうこと。
今は孤独というとイヤなもの、逃避か引きこもりとしか思われていないけれども、それはその人が自分を愛する仕方を知らないからなんだ。自分を愛する、つまり自分で自分を味わう仕方を覚えると、その面白さは、つまらない友だちといることなんかより、はるかに面白い。
人生の大事なことについて、心ゆくまで考えることができるからだ。
考えるということは、ある意味で、自分との対話、ひたすら自分と語り合うことだ。だから、孤独というのは、決して空虚なものではなくて、とても豊かなものなんだ。
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