読書日記

  小さなものへの愛

 『愛について』(五木寛之)より、
 小さなものへの愛とは、一言で言うと、趣味といって片付けられてしまうものかもしれません。
 それは、歌が好きだとか、あるいはおしゃれが好きだとか、冗談が好きで、よく笑うことかもしれません。
 また逆に、涙もろくて、よく泣くといったこともあるでしょう。

 そういう、これまでたいしたことではないと見過ごされてきたものの中に、人間を生かしていく深い力があるのではないかと、最近しきりと考えるのです。
 自分の好きなもの楽しむことも、そのものを愛することになるのだと思います。
 それは身のまわりにある小さなものでもいいのです。ふだんできる小さな事を楽しむ、まわりにいる人と何かをして楽しむ、何か物を楽しむなどでも、そのもの(事/人/物)と関わることで少しでも自分の心を動かすことができればいいのではないでしょうか。

 たとえば、花を愛する。花が咲いているのを見て、「きれいだなぁ」「いいなぁ」と思うだけでもいいのでしょう。他にも、花の香りをかぐ、花の写真を撮る、押し花をつくる、花を買って部屋に飾る、・・・。もっと花を愛する人は、自分で種を植え育てることを楽しむこともできるでしょう。
 他にもいろんな小さなものを愛することができるでしょう。

 小さなものでも、自分が心から楽しみ、少しでもいい感じがすることは、心の栄養になるのではないかと思います。
 小さな幸せでも感じることで、心を癒し(幸せは薬?)、元気を与えてくれるのではないでしょうか。
 たとえ小さな幸せでも、幸福感の価値は大きいのです。
 小さなものへの愛が生きる力になることがあると思います。



   

次の日の日記

愛について』五木寛之

ホームページ