読書日記

  どうでもいい事柄に無関心

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 もっとも高貴な人生を生きるに必要な力は魂の中にそなわっている。ただしそれはどうでもいい事柄にたいして無関心であることを条件とする。
 これらのものはじっとしているのであって、これに関する判断を産み出し、我々の脳裡にそれを刻み込むのは我々自身なのである。しかしそれを刻み込まないことは我々の自由なのだし、また知らない間にそれが忍び込んだいた場合にはただちにこれを消し去ることも我々の自由なのである。
 価値が高い人生を生きるためには、自分にとって大切なもののために、限りある自分の時間とエネルギーを使ったほうがいいでしょう。
 ということは、どうでもいい事柄に時間とエネルギーを使うのはもったいないでしょう。
 どうでもいい事柄についてはできるだけ考えない(無関心でいる/問題化しない)ことが重要なのでしょう。

 自分が考えさえしなければ何も問題がないことがあります。たとえば、自分の性格の問題や、人がどう思うかを気にすることなど。
 自分ではどうしようもない問題もあります。たとえば、自分の身体的な問題や他人の問題など。
 そのまま放っておいても大して問題なく、いずれは自然消滅するような問題もあります。たとえば、ミスや失敗をしてしまったり、悪いウワサを立てられた場合など。
 すぐに忘れてしまうような小さい問題もあります。
 このようなことは考えなくてもいいのでしょう。

 そのことを自分が悪く考えるから、自分の頭の中で問題が大きくなり、苦悩することになるのです。そのことを自分が考え続けるから、苦悩が長引いてしまうのです。
 そのことを自分が考えさえしなければ、イヤな気もちになったり頭を煩わしたりしなくてすむのです。生活に悪影響を及ぼさずにすむのです。

 といっても、つい(無意識に)考えてしまうことはあるでしょう。それはしかたがありません。
 そういう考えに早めに気づいて、「このことを考えるのはやめよう」「こんなことを考えるより○○しよう」などと、途中で切り替えられるようになるといいのではないでしょうか。



   

次の日の日記

最新の日記

自省録』マルクス・アウレーリウス

ホームページ