君が他人の不忠と恩知らずを責めるときに、なによりもまず自分をかえりみるがよい。なぜなら君がかかる性質の人を信頼して、彼が君にたいして忠誠を守るであろうと思ったとしても、また恩恵を施してやる場合に徹底的に施してやらなかったり、君の行為からただちにすべての実を収めうるような具合に施さなかったとしても、いずれの場合にも明らかに君のほうが悪いのだ。誰かに「裏切られた」と嘆いたり信じたことを後悔したり相手を責めたりしても、自分が余計に不幸な気もちになるだけです。そういうことをいつまでも続けるのは、自分のためによくないでしょう。
人に善くしてやったとき、それ以上のなにを君は望むのか。君が自己の自然に従って何事かおこなったということで充分ではないのか。
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