読書日記

  我が身を引っ掻く

 『幸福論』(アラン)より、
 他の人びとをみると、時として不幸が好きで好きでたまらないような人がいるようだ。
 我が身を引っ掻いている人が深く考えてやっているわけがない。苦痛が好きでやっているわけがない。そうではなく、カッカして、イライラしてやっているから、長引いているのだ。ほんとうの原因を知らないで。
 世の中には、自ら(すすんで)不幸になるようなことをしている、と見受けられる人が意外に多いのでしよう。
 たとえば、明らかに悪い事をしている、やるべきことをやらない、人間関係を損ねるようなことをする、自分(の健康や人生など)を粗末にしている、・・・。

 自分で自分を不幸にしている人は、自分の傷を引っ掻いたりつっついたりして、余計に苦痛を味わったり傷を悪化させたりしているのと同じなのでしょう(心の傷が痛むのは?)。
 中には治ったはずの傷痕をつっついて、いつまでも苦痛を感じ続けているような人もいます。

 身体の傷なら、引っ掻いたりつっついたりしたらどうなるか?、どうしたら早く治るか?、わかるでしょう。
 心の傷も同様に、傷口がふさがったらヘタに触れないほうがいいのです。つい触ってしまっても、痛みに気づいて、手を引けばいいのです。
 心の傷の場合には、過去の不幸を考えて不幸な気もちになったら、早めに気づいてその考えをストップすればいいのです。「この事を考えるのはよそう」「こんな事よりも、○○をしよう」などと、心を切り替えられるようになればいいのです(心のすり傷?)。

 不幸が必要以上に大きくなったり長引いたりする原因は、自分がその事について不幸になる考えを続けているからです。
 過ぎたことでくよくよしないように幸せになる考え方を心がけられるようになるといいでしょう。
 不幸を幸せに変えられるようになると、もっといいでしょう。



   

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