読書日記

  力を入れて抜く

 『リラクセーション』(成瀬悟策)より、
 リラクセーションのもっとも基本的な方法といえば、入れた力を抜いて筋の緊張を弛めるということに尽きるでしょう。
 ここで大切なのは、弛めるときも緊張させていくとき同様、抜いていく力と、それにつれて緩んでいくからだの緊張の程度や状況をしっかり熟知し、相互の関連や変化の状況に応じて調整しながら、からだの緊張を感じなくなるところまで、ゆっくり力を抜いていくことです。そのためには、力を抜いていく努力の仕方、抜いていく感じ、および緊張を弛める努力の仕方、弛んでいく感じなどに、どれだけ注意を払い、いかに適切に努力できるか、どれほどしっかり感じをつかみながら弛める努力ができるかなどが重要な条件となります。
 リラックスするためには、力を抜けばいい。
 でも、無意識のうちに緊張している場合には、力が入っている感覚はないことも多いでしょう。入っていない力を抜こうとするのは難しいのでしょう。
 そういう場合には、張りや凝りや疲れなどの症状がある周囲の筋肉に力を入れてから、力を抜くようにすると弛む感覚を得られるでしょう。
 たとえば、肩が凝った場合、一旦肩を上げるように力を入れてからストンと肩を下げる。それを何回か繰り返せば、少しは肩の凝りがラクになるでしょう(肩の上げ下げ)。

 リラックス法を実践する際に、より効果を上げるために重要なのは、その仕方・感覚のコツをつかむことなのでしょう。
 そのためには、一つ一つの動作の仕方に注意を払い、どのくらい力が抜ける感覚が得られるかを知覚すること。もう少し効果を上げるにはどうしたらいいかを案出し、試すこと。試した結果、力が抜ける感覚が上がれば採用し、下がれば却下する。
 このような工夫を繰り返すことで、自分に効果がある自分なりのリラックス法を身につけていけるといいのでしょう。

 何かをやるときにダラダラやり続けて張りや疲れを溜めるよりも、やるときには集中してやって適宜休憩をとるほうがいいでしょう。集中するからよりリラックスした休憩がとれるのです。張りや疲れを溜めなくてすむのです。
 よく眠れないという人は、昼間にやることを一所懸命にやったり、運動をしたりすることで、適度な疲労をすることが、安らかな睡眠につながるのかもしれません。
 一生懸命に生きた人が、幸せな人生だったと、安らかに永眠できるのではないでしょうか。

 力を入れてやるときと、力を抜いてリラックスするときと、オンとオフの切り替えがうまくできるようになれば、充実した人生を健やかに、幸せに生きられるようになるのではないでしょうか。



   

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リラクセーション』成瀬悟策

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