読書日記

  イメージ緊張

 『リラクセーション』(成瀬悟策)より、
 明日の試験のことを考えて、その夜はまんじりともしなかった受験生、開催地へ乗り込んでからの数日間、だんだん緊張が強くなって事前の「あがり」がひどくなったオリンピック選手などのように、現実にはその場面にいないのに、それを予期して頭のなかのその場面をイメージしただけで緊張してしまうことがあります。
 しかも、このイメージによる緊張は、現実の場面よりはるかに強烈であることも珍しくありません。
 大事な本番・実践の際には、開始直前の準備緊張より前のイメージ緊張にはメリットはほとんどないでしょう。
 むしろデメリットのほうが多いでしょう。たとえば、心身の硬直や疲れ、食欲不振、寝不足など。それが本番・実践に悪影響を与えることにもなりかねません。緊張したイヤな気分で長時間過ごすことだけでも、自分にとってよくないと思います。

 本番をイメージすることで、やる気が出て今できる努力をやれるのならいいのでしょう。
 本番が近づいたら、難しいことや新しいことをやるよりも、基本的なことを確認したほうがいい場合が多いでしょう。
 そして、本番に向けて心身の調子を整えることも大事でしょう。身体が緊張で硬くなっているのなら、身体をほぐすようなストレッチや体操のような運動をする。心が緊張しているのなら、リラックスできることやいい気分転換になることをする。栄養と休養をしっかりととる。
 どうしても本番を意識して緊張してしまう場合には、本番でのいい実践をイメージする、イメージトレーニングをすればいいのではないでしょうか。

 と言っても、人生の中での重大な本番の前には、どうしても眠れない夜もあるかもしれません。
 そんな場合には、あせらずに“寝たフリ”でも、少しは休養になると思います。

 本番で自分が今もっている力を十分に発揮するためにはどうしたらいいか?
 リラックスしたほうがいい、ちゃんと食べたほうがいい、少しでも休んだほうがいい、・・・。
 そのためには、今どういう工夫ができるだろうか?
 このように考える心がけができるようになるといいのではないでしょうか。



   

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