読書日記

  今の自分は幸せ

『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。

縄文時代のような昔の人のことを想えば、今の人は、
 食べ物を美味しく思い、着る物を美しいと思い、
 住む所に安心をし、生活を楽しむことができる

 (『老子』第80章「使人復結縄而用之、甘其食、美其服、安其居、楽其俗」)

 人は自分の幸せを比較によって判断することが多いようです。今の自分の幸不幸を、誰かと自分を比べたり、過去の自分と今の自分とを比べて決めていることが多いのではないでしょうか。
 ただし、比較は不幸になる考え方になりやすく、何かで恵まれた人と自分を比べて不幸な気もちになってしまう人がたくさんいます。

 どうせするのなら、不幸な気もちになる比較ではなく、幸せになれる比較をすればいいのです。
 その一つが昔の人と今の自分を比べて考えてみることです。原始時代の人の生活を想像してみれば、衣食住のどれをとっても今の自分のほうが恵まれているでしょう。生活も今のほうがずっと快適でしょう。楽しいことも今のほうが多いでしょう。
 そう本気で考えれば、「今の自分は(けっこう)幸せ」と思えるのではないでしょうか。

 歴史的に見て、地球上で今までに生きた多数の人たちの中で、今の自分はとても幸せなほうに入るでしょう。
 現在世界に生きている多数の人の中でも、今の自分は相当に幸せなほうなのではないでしょうか。
 今日本に暮らしている人は、いろんな美味しいものを食べられ、好きな服を選べて、快適な居住空間で過ごせている、と考えられるでしょう(比較的少数の自分より上の人と比較しなければ)。
 そういう意味では、今まで生きた人の中では幸せなほうであることは間違いない、と思います。

 今日本に暮らす大半の人は、心がけしだいで「今は(それなりに)幸せ」と思えるようになれると思います。
 さらに、自分を育てる努力をちゃんと続ければ、毎年、「一年前に比べたら、少しは幸せに(暮らせるように)なれた」と思えるはずです。
 少しずつ幸福度を高めていけるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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