読書日記

  まず自分の弱さを知る

 『不幸な国の幸福論』(加賀乙彦)より、
 前向きに考えるのは大事なことですが、悩むというプロセスを抜きにしたプラス思考は、自分の弱さやダメな部分から目をそらすことにつながりかねません。さまざまな気晴らしの手段があふれている現代においてはなおさらでしょう。
 大いに悩み、まず自分の弱さや能力の限界を知って、それを認めてこそ、「では、どうしたら変えていけるだろうか」と考えることができるようになる。
 前向きな考え方ができる時には、それでいいと思います。
 でも、どうしても前向きに考えられない時や事があると思います。
 そういう場合に、心が折れて不幸に陥ることがないようにするのが大事であり、それができるのが本当に強い人だと思います。

 自分を強くするためには、悩む(よく考える)ことも必要なのでしょう。
 また、自分を変えるためには、自分の弱さやダメな部分を知り、その対策をすることです。「改善しよう」と考えるか、「そのままでいい」と考えるかです。
 いずれにしても、まずは自分の弱さや欠点を受け入れることです。それができる人はそれだけでも(自分の弱さを受け入れる)強さがあるのだと思います。

 目の前の問題をなんとか解決するにしても、目をそらすにしても、自分が変わらない限り、また同じような問題で同じように悩み苦しむことを繰り返すことになるでしょう。
 自分の課題を見つけ、「一つ一つ、少しずつ」改善する努力を続けていくことで、強くなっていけたらいいのではないでしょうか。



   

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