読書日記
幸せは卑近な形で
『幸せ上手』(渡辺淳一)より、
今、わたしは毎日のように自宅の浴槽に入り、あたたかい湯につかりますが、そのとは、「気持ちがいいなあ」とつぶやくとともに、「なんて幸せなのだろう」と思います。
わたしはお酒を飲んだり、食事をしたあと、トイレに立って小水をする。このとき、白い陶器に当る小水を見ながら、「幸せだなあ」と、秘かにつぶやくことがあります。
まことに、幸せは身近なところに、そして卑近な形で無数に転がっているのです。
「卑近」とは「身近でありふれていること」です。
つまり、身近なところにふつうに幸せはたくさんあるのです。
幸せになれないのは、物や成功や名誉や人からの愛など、一つの幸せにとらわれているからかもしれません。
たとえ一つの幸せが得られないとしても、他にも幸せはたくさんあるのです。自分が今もっている幸せも、日々の生活の中で経験できたり出会えたりする幸せもあるはずです。
そういう幸せに気づき、感じられるようになれれば、誰でも「今は(それなりに)幸せ」と思えるようになれると思います。
実際には、誰のまわりにも幸せもあれば、不幸もあるのだと思います。
幸せな人は自分のまわりにある幸せを感じることができ、不幸な人は自分のまわりの不幸ばかりを考えて不幸な気もちになっているのではないでしょうか。
不幸を数えて暮らすより
幸せを数えて暮らそう