読書日記

  困った感情の言い分に耳を傾ける

 『生きていくことの意味』(諸富祥彦)より、
 私たちの“困った感情”は、その存在をそのまま認め、ていねいにつきあっていくと、私たちが気づく必要のある大切なことを何か教えてくれる場合が多いのです。
 自分の感情を自分の“一部”としてしっかりと“認める”。そしてその感情の“言い分”に耳を傾ける。ただそれだけの、実にシンプルな“自分自身とのつきあい方”のこと。
 しかしそれだけで、ずいぶん楽になれたり、今の自分を受け入れられたり、今の自分にとって必要な心のメッセージを受け取ったりすることができるのです。
 怒りや不安や嫉妬などの“困った感情”にただ振り回されないように、まずは「こういう気もちになることもある」と自分の感情を認める(受け入れる)ことで、少しでも心を落ちつける。
 その上で、そういう感情を生む原因となった自分の心(望みや考え方)のクセに気づけるといいのだと思います。
 クセになっているため、日頃何度も繰り返しているのではないでしょうか。イライラしやすい人にはそういう心のクセがあり、心配しやすい人にはそういう心のクセがあるのでしょう。

 自分の心のクセに気づくことは容易ではないかもしれませんが、自分の“困った感情”の言い分(内なる声)に耳を傾ければ気づけることもあるのではないでしょうか。
 「自分にはこういうクセがある」と自覚できれば、そのクセが無意識に出たときに「またこのクセだ」と気づけるようになるでしょう。
 そこで、「幸せになる考え方を心がけよう」と努力を続ければ、少しずつ幸せになる考え方ができるようになると思います。

 自分とって必要なメッセージを受け取り、一つの困った心のクセを直すことができれば、今後の人生の中でその“困った感情”になる回数と時間を相当に減らすことができるでしょう。その分の時間とエネルギーを自分が幸せになるために使うことも可能なはずです。
 それは自分の人生の中でとても大きな学びであり、自身の大きな成長とも言えるでしょう。

 そのためには、まず自分の感情・気分を知ることが大事でしょう。そして、自分を育てる努力を続けることだと思います。
 そのようにして、うまく自分とつきあっていけるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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