しあわせ日記

12月19日(火) 他人の悩みだったら……

 『海馬』(池谷裕二・糸井重里)より、
 「これが、他人の悩みだったら……」が、悩みを解決するコツ。
 悩みを自分のこととして考えると、悩みの本質を見失う場合があります。

 他人の悩みだと思うと、案外、「ぜんぶを失わないでいようなんて、ムシがよすぎる」と考えられるものです。
 他人は、客観的に、「悩みの芯」だけを見ることができるのです。
 他人の悩みなら、人は落ちついて考えられるのでしょう。
・自分には被害も問題もないので感情的にならなずにラクに考えられる。
・何かにとらわれずに客観的に見ることができる。
・何か一つをあきらめればいいと決断しやすい。

 「人事(ひとごと)だから」と言ってしまえばそれまでですが、このような冷静な考えができたほうが、感情的にも問題解決的にも自分にとっていいのではないでしょうか。

 私は以前、メールで相談を受けた際に、「同じことを友達から相談されたら、あなたは何と答えますか?」のような返事をしたことがありました。
 たとえば、「昔つきあっていた人がどうしても忘れられない。もう一度会いたい」という既婚者からの相談に、「あなたの友達が同じ事をあなたに相談としたら、あなたは何と答えるでしょうか? 大切な“友達のため”をよく考えてあげてください」。
 ほとんどの方から「どうしたらいいか、わかりました」という返事がきました。
 (その答えは、同じように考えてみればわかるのではないかと思います。なお最近は、個人的な悩みの相談にはお答えしておりませんので、悪しからず)

 悩みの中には、「○○したい」けど「○○もしたい」(もしくは、「××はしたくない」)というような複数の望みの葛藤がある場合がよくあります。
 たとえば、自分の気もちを大切にしたいが、人の気もちも大切にしたい(もしくは、人を傷つけたくない、人に悪く思われたくないなど)。
 このような場合、まず「一番大切にしたいのは何?」と自問します。それがわかれば、それを捨てるような選択肢は除外できます。
 また、一番大切なものを選択するためには他のものを捨てる決心も必要でしょう。

 答えがどうしても見つからないような悩みの場合には、現実として無理のあることを望んでいるのかもしれません。現実的でない望みにとらわれていては、悩み苦しむだけです。
 現実的な目標をもって問題解決に向けてよく考えることが大事です。
 また、その前に私心にとらわれない素直な心で自分の問題を見ることができるようになれるといいのでしょう。

 悩みを抱えた時に、私がおすすめするのは、「紙に書いて考える」方法です。
 その際に、「これが、他人の悩みだったら……」と考えてみると、さらに冷静に考えられるのではないでしょうか。



   

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