「竜馬がゆく」

   1月1日 TBSテレビ

 なかなかよかった。原作に忠実なほうだ。最初は出演者の若さに物足りなさを感じたが、それは私の偏見だと気づいた。竜馬が19歳から33歳の間だし、他の登場人物も当時実際に若かった。その若い人たちが明治維新という大変革の立役者であったことにあらためておどろいている。
 私は過去に、原田芳雄、武田鉄矢、浜田雅功などの竜馬を見てきたが、今回の上川隆也さんは若々しくてよかった。武田鉄矢さんの「Ronin」という映画には思い出がある。ある女の子とつきあい始めた頃に、私の興味だけでこの映画をいっしょに見に行ったのは失敗だった。今となってはいい思い出だが・・・

 今回のドラマは約5時間だったが、やはりもの足りない。話を知らない人には展開が速くてよくわからなかったのではないかと思う。当然、2時間くらいの映画ではムリがある。竜馬とまわりの人の人情の機微も見えてこない。あの時代にどうして竜馬のような人間が生まれたかもぜんぜんわからない。わかるわけがない。15回以上「竜馬がゆく」の本を読んでいる私がまだわからないのだから。しかし、最近「竜馬がゆくから」を連載しだして、少しずつ竜馬についてわかってきている気がする。これから先も楽しみだ。
 あなたも自分の好きな人や目標とする人にこだわってみたらおもしろいと思う。その人を通して、自分が何を求めているのか、なりたい自分になるにはどうしたらいいか、というようなことが見えてくると思う。
 私は「竜馬がゆく」に出会えて、本当によかった。


「青春メッセージ’97」

               1月15日NHKテレビ
 弁論大会バラエティ?16歳から25歳までの12組。

『目指せ、保父デビュー』
  学生。保父になるために勉強中(学校に男は2人)。
『俺のニッカズボン』
  大工。「仕事が好き。誇りをもっている。大工の人間国宝になる」
『がんばれ』
  大学生。震災ボランティア。「自分を信じてあげる」
『亡き母へのメッセージ』
  震災で母を亡くす。ボランティア。自衛隊(衛生班)入隊。
  「自分を産んでくれた母に感謝の言葉を伝えたい」
『愛は発明の母』
  大学生。障害ボランティア。車イス用車輪の発明、特許出願中。
  「自分が好きでやっていることが、人の役に立ったらどんなに幸せか」
『障害を隠さずに就職したい』
  大学生。福祉ボランティア。精神障害あり(通院と服用要)
  ケースワーカー(病院等で患者の相談にのる人)志望。就職活動中。
『人間しよう』
  不登校。フリースクールで仲間と出会う。バンド活動。
『ぼくの目指す料理人への道』
  食堂経営をしていた両親が離婚。以前は避けていた料理の道へ。
『母と出会いたい」
  学生。母に反感、関係悪化。母とのフルート競演をきっかけに和解。
『三人の父親』
  実の父、妹の父、今の父。記憶にない実父に会いたい。
  結婚に対する否定的な考え方の変化。
『ムエタイと出会って』
  露店商。格闘マニア。タイへ行き、ムエタイをする若者たちと出会う。
  「幸せとは、自分のやりたいことが真剣にやれることだと思う」
『国を越えて』
  学生。残留孤児だった父と日本に帰国。差別。2つの祖国。

 いろいろなことを経験し、いろいろな生き方をしている人がいる。
 出演者は、それぞれに自分のキャラクターを出している。決して優等生の弁論大会ではない。自分らしい生き方が今望まれるテーマなのかもしれない。人の目を恐れて生きるより、自分を活かす生き方が幸せにつながる。

 思い込みだけでも、「自分の生き方はこれだ」と胸をはって言える人が幸せなのだと思う。



「長渕剛ふたたび」

          1月18日フジテレビ

 「英二ふたたび」という2時間ドラマのメイキング番組。「英二ふたたび」は1月24日に放送された。このドラマは以前にTBSで放送された連続ドラマ「とんぼ」の続編。主演・長渕剛・哀川翔も同じ、脚本家・黒土三男も同じ。ドラマは8年間の受刑後に英二が刑務所から出所する場面から始まる。相変わらずの「とんぼ」だった。
 話を「長渕剛ふたたび」に戻そう。
 撮影現場でスタッフを怒鳴りつける長渕さんの姿。
 脚本家・倉本聰の話。倉本さんは車のなかで長渕の曲を聴くという。そして、仕事場で怒りを爆発させる長渕の気持ちがよくわかるという。仕事、作品、場面に対する思い入れのレベル、気を使うレベルが違うのだと。それは倉本さんにも共通することだという。それは人からは、こだわりすぎや、場合によってはわがままに見られるだろう。

 「わがまま」という言葉は、よく味わうといい言葉だと思う。人気のある言葉「自分らしく」と「そのままでいいよ」を1つにしたような言葉だ。しかし、「わがまま」は悪い意味で使われる。周囲や他人の意見や思惑を無視して(あるいは反して)何かをする意味が含まれる。「自分勝手」や最近使われる「ジコチュウ」(自己中心的)も同様。
 これらには「自分らしく」「自由に」「自分を大切に」などの幸せになる要素も含まれている。いい意味の「我がまま」は大事にしたい。
 しかし、世の中にはいわゆる「わがままな人」がいる。人がどう感じるか、人がどう思うか、人がどうしたいかなど、察することができない人もいる。でもそれがかわいいという人もいる。特に恋をしているときには。

 ところでなぜ倉本さんが登場したか、その理由が私にはいちばん印象に残った。長渕さんには仕事ができない時期があった。マスコミや人の目もあり、つらい時期だったと思う。そんな時に倉本さんは「富良野に来ないか」と長渕さんを誘った。そして、長渕さんは、奥さん、お子さんと共に一時期を富良野で暮らしたという。
 富良野塾のメンバーだけのためのコンサートの話は感動的だった。倉本さんが軽く歌のリクエストをすると、長渕さんは時間をかけて準備・調子をととのえて、本当のコンサートさながらに演じてみせた。お二人の気持ちが私を泣かせる。

 「とんぼ」の歌詞には、「俺は俺であり続けたい そう願った」とある。
「我がまま」である。自主的に生きるということは、幸せになるための基本です。



未来潮流「"癒し"のゆくえ」

    NHK教育テレビ・1月25日

 文化人類学者・上田紀行さんが"癒し"についてレポートした。
 日本でも癒し(ヒーリング)ビジネスが盛んだという。その手の本も多く出版されている。ヒーリンググッズもいろいろある。心地の良いイスやベッドと映像(単なる光を使ったものもある)や音楽を使った機器が開発され、それらを使ったリラクゼーションルームのようなものが各地にできている。様々な講座、セミナー、道場、ワークショップなどもたくさんある。

 精神家医の香山リカさんは「テレビゲームにも"癒し"の効果があるのではないか」と言う。上田さんは「孤独をまぎらわしているだけではないか?」と問う。対して香山さんは「そのとおりだが、自分も含めて現実に救われた人がいる。私のところにはそこでしか救われない人たちが多い」と言う。

 アメリカではシャーマニズム研究が最近行なわれるようになった。
 インディアンに伝わる儀式や風習に含まれる"癒し"の効果を研究し、それを用いたヒーリングを行なっているレスリー・グレイさん。彼女のところには、弁護士やコンピューター・プログラマーといった人が多く訪れるという。しかし、グレイさんは言う。「物質と精神、どちらに片寄ってもいけない」。グレイさんのヒーリングを実際に体験した上田さんは「従来の欠陥をうめる癒しではなく、互いに力づけ合う癒しを感じた」と言った。

 作家の新井満さんは言う。「欠落感や心の傷(トラウマ)をなくすことはできない。一時的に忘れることはできても。逃げてはいけない。逃げるといつまでたっても追いかけてくる。対峙する[存在を自覚する]、友達になる[全面的に受け入れる]、お願いする[希望を言葉にする]のがいい」([]内は私の解釈)
さらに「心の傷(トラウマ)は人生の中では大きな出会い、美しいものとなる」

 "癒し"に必要なものは「愛」だと思う。私は「愛」とは「人を幸せにすること」と同等だと思っている。そして始めに必要な愛は自分に対する愛だと思う。それは自分を幸せにすることだ。そのためには自ら幸せになるように生きることだ。



人間大学 死を看取る医学〜ホスピスの現場から
      第7回「癌患者の心に聴く」  講師・大阪大学・柏木教授

               97/2/18 NHK教育テレビ
 自分がガンだと知った患者さんは、精神的に強いショックを受け、悩み苦しむ。そこでキーになるのが"受容"できるかどうかだそうです。受容とは受け入(容)れることです。
 受容とあきらめは違う。ではどのような差があるか。それを次のような対比で説明されました。
 (受容)−(あきらめ) 積極性−消極性、暖かさ−冷たさ、
             人間的連続性−人間的非連続性、
             心の"澄み"−心の"濁り"
 受容できた人は、ガン(生きること)に対して、積極性がでて、暖かい心を持ち、人格が急に変わることはなく、澄んだ心が持てる。あきらめた人は・・・

 多くのガン患者さんを看てきた経験から、受容能力の高い人は次のような人だそうだ。
   1.自律的な生き方  ・・・ しっかりした人
   2.恒常性が高い   ・・・ 落ち着いた人
   3.覚悟ができる   ・・・ がまん強い人
   4.自分を見つめる  ・・・ 冷静な人
   5.時間をつなぐ   ・・・ 過去の経験を現在に活かせる人
   6.人の死を受け入れる
   7.与える人生    ・・・ 人のために生きられる人
   8.信仰をもっている人

 受容能力、受け入れる能力は幸せになるためには重要だと思う。



「新世紀エヴァンゲリオン」

           97/3/15 26:55〜 テレビ東京
 誰のセリフとか、シチュエーションの説明もいらないと思う。もちろん、私の感想や意見も。ただ、気になった言葉を抜き書きさせていただく。あとは、読む人がそれぞれに何かを感じればいいと思う。それほどに、すごいのだ。

第24話「最後のシト」より

事実なのよ。まず事実を受け入れてから、原因をさぐってみて。

こわいのかい?人とふれあうのが。
他人を知らなければ、裏切られることも、互いに傷つくこともない。
でも淋しさを忘れることもない。
人間は淋しさを永久になくすことはできない。人はひとりだからね。
ただ、忘れることができるから人は生きていけるのさ。

私はなぜここにいるの。何のために。誰のために。

君は何を話したいんだい。ボクに聞いてほしいことがあるんだろ。


第25話「終わる世界」より

結局、自分のためじゃない!
自分が人に求められることを、ただ望んでいるだけじゃないの。
人から幸せを与えられようと、ただ待っているだけじゃないの。

今、自分が嫌いだからといって、(自分を)傷つけるもんじゃない。
それはただ、せつな的な罰を与えて、自分をごまかしているだけだ。
やめたほうがいい。

真実は私たちにはわからないもの。
ただ、今自分で感じているものが事実でしかないわ。あなたの中のね。
そして、その記憶となるものが君の真実になっていく。

「現実ってなんだ?」
あなたの世界よ。
時間と空間と他人と共にある、君自身の世界のことさ。
君がどう受けとめ、どう認めるかは、君自身が決める世界だ。

「もうすべて決まっている世界だろ」
違うわ。あなたが決めている世界なのよ。
君の心がそうだと決めている世界なのだ。

閉鎖された自分ひとりがここちいい世界を君は望んだ。
自分の弱い心を守るために。自分の快楽を守るために。
これは、その結果に過ぎないわ。
閉塞された空間では、あなたひとりの世界では、人は生きていけないのよ。


第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」(最終回)より

「ボクのことなんかどうでもいいんだ!」
どうでもいいと思うことで逃げているんでしょ。
失敗するのが怖いんでしょ。人から嫌われるのが怖いんでしょ。
弱い自分を見るのが怖いんでしょ。

人は群れていなければ生きられない。人はひとりでは生きていけない。

なぜ生きているの?     それを知りたくて生きているのかな。
誰のために生きているの?  私のため/自分のため
生きていてうれしい?    わからない/うれしい/楽しいことしかしたくない

逃げ出したつらさを知ったから、だから逃げるのがいやなのね。
だって逃げ出したら、誰も相手にしてくれないんだ。

自分に価値がないんだと思い込んでる。
そう思って何もしなければ、傷つくこともない。

現実を悪くイヤだととらえているのは君の心だ。
現実を真実に置き換えている君の心さ。
現実を見る角度、置き換える場所、
これらが少し違うだけで心の中は大きく変わるわ。
真実は人の数だけ存在する。だが、君の真実は1つだ。

人ひとりが持てる世界観なんてちっぽけなもの。
だけど人はその小さなモノサシでしか、物事を測れない。

晴れの日は気分よく、雨の日はゆうつう。
そう教えられたら、そう思い込んでしまう。
雨の日だって楽しいことはある。
受け取り方1つで、まるで別ものとなってしまう。

人間の真実なんて、その程度のものさ。
だからこそ、より深い真実を知りたくなる。

自分を嫌いな人は、他人を好きに、信頼するようになれない。

自分がわかれば、やさしくできる。


 これでも私のメモからいくつか外しました。これだけの引用をすると、さすがに少し気がひける。GAINAXさんありがとう。感謝、感激、エヴァンゲリオン。

 エヴァについては、日記でも少し書いています。
   3/3エヴァ、3/17書きたくなかったエヴァ






拒食症

          97/4/25 フジテレビ「ザ・ヒューマン」より

 拒食症(神経性食欲不振)が増えているという。
 低年齢化がすすみ、中学生に増加。男性の拒食症も増えている。

 原因として、
   理想体型の激ヤセ化(もっとやせたい)
   人間関係
   家庭の問題(家庭内不和、親の離婚、家庭崩壊など)

 変身願望があるという。
  ・ やせれば人が振り向いてくれるのではないか。
  ・ 注目されたい。
  ・ 変身すれば、新しい人生が始まる。

 しかし、拒食症になると
  「エネルギーがない」「動きたくない」「動けない」
  「気分がすぐれない」「ちょっとしたことですぐにゆううつになる」
  「死にたくなる」

 食べてやせるダイエット法を提唱する鈴木その子さんは、息子さんを拒食症で亡くしたという。「やせるな、と言ってもムダ。食べてやせよう」と言う。

 するなら幸せなダイエットをしてほしい。本来、幸せになるためにしていることを忘れないように。幸せに過ごしていれば拒食症にはならないだろう。「ダイエット」と同時に「幸せに暮らす」ことも一生懸命にやってみたらどうだろうか。

 過食・拒食に関する考えるヒント