読書日記

  ありえぬことを求めるな

 『自省録』(マルクス・アウレーリウス)より、
 他人の厚顔無恥に腹の立つとき、ただちに自ら問うて見よ、「世の中に恥知らずの人間が存在しないということがありうるだろうか」と。ありえない。それならばありえぬことを求めるな。その人間は世の中に存在せざるをえない無恥な人びとの一人なのだ。
 悪漢やペテン師やその他あらゆる悪者についても同様な考えをすぐ思い浮かべるがよい。
 世の中にはいろんな人もいます。
 恥知らずの人も、意地悪な人も、口が悪い人も、無神経な人も、思いやりのない人も、悪人も・・・実際にたくさんいるのです。
 そういう人の中の一人が自分の前に現れても何の不思議もないのです。

 自分にとってイヤな人がいてイヤなことをした際に、「なんだこの人は」「信じられない」「許せない」のような思いがあると、相手に対する悪感情が強くなります。
 さらに、「この人に変わってほしい」「この人がいなくなってほしい」のような思い(期待)が心の中にあると、悪感情は長く続くことになってしまいます。

 そういう人がいるのは現実だし、相手が変わることはまずないのです。
 そういう場合には、まず「こんな人もいる」と現実を受け入れることで、少しでも悪感情を小さくできるといいのです。
 そして、「こんな人のために、こんな気もちになるのは損だ」と考え、「こんな(人の)ことを考えるより、○○しよう」のように心を切り替えられると、なおいいでしょう。

 世の中にたくさんいるイヤな人に対して、相手が変わるのを期待せずに、自分(の考え方)を変えるように心がけたほうがいいのではないでしょうか。



   

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