読書日記

  存在は美しい

 『人はなぜ「美しい」がわかるのか』(橋本治)より、
 この世のありとあるものは、ありとあるものの必然に従って「美しい」のです。
 「ありとあるものの必然」とはなんでしょうか? 「ありとあるものは、人間の都合と関係なく存在している」ということです。
 利害とは関係なく「ただ存在しているだけのもの」を見た時、人は「美しい」と感じる――そうである方向へ進んで行く。
 すべての物はあるべくして存在している。物質はすべて素粒子レベルから合理的に生成され、どれも美しい。
 現存する生物は生き残るべくして存在している。優れた合理的な機能をもっていて、どれも美しい。
 今生きている人は、ずっとずっと前の先祖からの血を受け継いで存在している。奇跡的な出会いと生存の歴史を背景としてもち、誰もが美しい。
 人間がしているすべてのことには何かしら意味がある。失敗も含めて、すべての経験には価値があり、美しい。
 この宇宙のありとあらゆるものは、自然に従って存在している。宇宙の成り立ちは合理的であり、ありとあらゆるものは美しい。

 人間はもの(物・人・事)を深く知れば知るほど、それらの合理性に気づき、「美しい」と思えるようになるのでしょう。
 自分のまわりのものを見て、「美しい」と感じられるようになることは、人間としての進歩と言えるのかもしれません。
 その極致(悟り)が「この世のありとあらゆるものは美しい」と思えるようになることなのではないでしょうか。

この世はすべて美しい (お釈迦様)  すべてのものは好好



   

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人はなぜ「美しい」がわかるのか』橋本治

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