読書日記

  「不安」と「問題」

 PHP10月号の特集は『くよくよしない人・毎日を楽しめる人』。
 楠木建さん(一橋大学教授)は、
 「不安」と「問題」は異なる。
 「問題」ははっきりした事実である。
 これに対して、「不安」(「心配ごと」といってもよい)」は頭や心の中にある。外在的な事実ではない。
 自分でつくったものは、自分でなくすことができる。
 将来のことを心配してくよくよすることが多い、という人もいるでしょう。
 そのために、不安な気もちで過ごすことが長くなり、幸せになるための活動ができなくなるのは、自分のためによくないでしょう。

 将来に心を配って、将来の不幸に備えたり対策できたりするのは、人間の素晴らしい能力の一つだと思います。
 「不安は(悪いことを避けるための)注意信号」と考え、今できることをやればいいのです。
 今やれることがないのなら、それ以上心配を続けてくよくよするのはやめたほうがいいでしょう。今やれることがないということは、現実の問題ではなく自分が頭の中でつくり出した心配か、もしくは、将来に対する漠然とした不安なのかもしれません。

 不安な気もちになった時には、「心に不安を生み出しているのは自分の考え」と考えられれば、「こんなことを(こんなふうに)考えるのはよそう」とその考えをストップできればいいのです。
 「こんなことを考えるより、○○しよう」のように心を切り替えられるようになると、さらにいいでしょう。

 実際にはなるかどうかわからない悪い状況に対しては、なったらなったで「その時はその時」と考えればいいのです。
 漠然とした不安に対しては、「なるようになる」と考えるのもいいと思います。
 それでも不安な場合には、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせることで、少しでも不安な気もちを小さくできるといいでしょう。

 いずれにしても、不安は自分(の考え)がつくり出したものです。自分でなくす努力ができるようになるといいのではないでしょうか。



   

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