読書日記

  自力の幸福

 『幸福論』(アラン)より、
 人は、棚からぼた餅のように落ちてきた幸福はあまり好まない。自分でつくった幸福が欲しいのだ。

 もらいものの楽しみは約束どおりのものなどけっして与えてくれない。反対に、行動する楽しみの方は、いつも約束以上の楽しみを与えてくれる。

 だから、行動のない楽しみを選びとるよりも、自分で行動できる労苦をむしろ選ぶのだ。
 棚ぼたの幸福でも、それなりにうれしかったり一時的にある程度幸福な気もちにはなれるでしょう。
 自力で得た幸福は、努力した分、苦労が多かった分、得られる幸福も幸福感も大きいのです。
 また、努力の過程には経験しなければわからない楽しみや喜びも多いのだと思います。棚ぼたの幸福にはそういうものはあり得ないのです。

 そういうことに気づいていない人も世の中にはけっこういると思います。
 でも、多くの人は自分が望む幸福を得るために、多少の労苦は覚悟の上で努力しているのです。
 そして、実際に大きな幸福をつかむ人はそれなりに苦労した人なのだと思います。

 棚ぼたの幸福はたいていは短時間で消失します。また、次の幸福に続くことはありません。
 自力で得た幸福は、自分の心の中に確かに残ります。自信が生まれることも大きいことだと思います。それが次の幸福を生む力になることもあるのです。

 自分の幸福につながる目標をもって、努力の過程を楽しんで生きられるようになるといいのではないでしょうか。



   

次の日の日記

最新の日記

幸福論』アラン

ホームページ