読書日記
幸せを広げる
『老子』(小川環樹・訳注)をヒントに考える“幸せの道”。
「幸せになる心の働きをその身に修得すれば、
その能力は真価を発揮し、幸せになれる。
それが家族に行き渡れば、家庭に幸せがあふれる。
それが地域に行き渡れば、住む人の幸せは長く続く。
それが国に行き渡れば、豊かで幸せな国になる。
それが世界に行き渡れば、幸せが世界に広がる」
(『老子』第54章「修之於身、其徳乃真、修之於家、其徳乃餘、
修之於郷、其徳乃長、修之於邦、其徳乃豊、修之於天下、其徳乃普」)
(幸せになる)方法を知っているだけでは役には立ちません。
幸せになる方法を身につけ、生活の中で実践できるようになることが肝心です。
幸せになる心の働きを修得できれば、その能力を発揮して、幸せに暮らせるようになれます。
幸せになる心の働きを身につける人が広がれば、それだけ幸せが広がります。
個人から、家庭、地域、国、世界へと、幸せが広がっていくといいのでしょう。
でも、現実にはそうなってはいません。自分のことはともかく、他人が幸せになる心の働きを身につけることを強制するわけにはいきません。
自分にできることは、自分の幸せを自分のまわりに広げていくことでしょう。
幸せになる心の働きには、人を幸せにする幸せを感じることも含まれるでしょう。
幸せにする人の範囲を広げることで、多くの人を幸せにできれば、その人はすごく幸せになれるでしょう。
幸せな家庭、幸せな地域、幸せな国、幸せな世界は、幸せに生きやすいでしょう。
そういう幸せな環境をつくれれば、それは自分の幸せに返ってくるのでしょう。その前に、そういう貢献を自分ができたことに幸せを感じられるのではないでしょうか。