読書日記

  少数者の幸福論?

 『新・幸福論』(五木寛之)より、
 私たちは競争という世界に生きています。その競争に打ちかって、ピラミッドの頂点に登りつめる人が、何人かいる。しかし、それを夢見つつ、競走の皿からこぼれ落ちていく者のほうが大多数であることは、残酷な真実です。
 少数者の幸福論は、私たちにとってあまり必要がないのかもしれません。
 私たちは(無意識にしても)競争をして生きているのでしょう。
 試験があるものは競争と言えるでしょう。
 成績が出るものもそうでしょう。成績がまったく気にならない人はほとんどいないでしょう。

 出世競争はピラミッドを登る競争と同様なのでしょう。
 一時に頂点に立てる人は一人であり、その下の段もそれぞれ立てる人数が限られています。登っている人数が少なければ自分の体力・脚力の問題ですが、たくさんの人が上を目指して登っていたら、上の段に進めずにこぼれ落ちてしまう人も出てしまいます。

 競争の勝者のみが幸せになれる、少数の成功者を目指す幸福論は多くの人には役に立たないのでしょう。それどころか、多くの不幸になる人を生み出すのではないでしょうか。

 私は、夢をもって生きることを幸せになる方法の一つとして、おすすめしています。ただし、その過程を楽しむことを重視することで、今をイキイキと幸せに暮らす方法と考えます。もちろん、夢が叶えば大きな幸福を得られます。
 また、自分に合った目標をもつことがとても大事だと思います。

 少数の成功者の幸福論と違う幸福論(幸せへの道)はあるはずです。
 たくさんの人が頂点を目指すようなピラミッドではなく、あまり人が行かない古墳もおもしろいかもしれません。
 エベレストや富士山のような高い山ではなく、近所の低い山でもいいのではないでしょうか。
 頂上まで目指さずに、途中まででもいいと考えればもっとラクに楽しめるでしょう。

 幸福は、人それぞれです。自分の道を行けばいいのです。
 また、幸福への道に頂上はない、と私は考えます。
 生涯少しずつ登って(幸福度を高めて)いけたらいいのではないでしょうか。



   

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