読書日記

  丁寧に歩いてみる

 『一日一生』(酒井雄哉)より、
 いくらどんな行を何回やっても、何もつかむところがなかったら何の意味もないよな。
 それだったら、たった一日でもいい。深いところを味わいながら、丁寧に歩いてみる方がいいかもしれない。
 人が忘れていたことや、大切なことをちゃんと教えてくれるから。
 著者の酒井雄哉さんは、比叡山での荒行「千日回峰行」を2度満行した天台宗の大阿闍梨ですが、ただきつい修行をやっても何かしら学ぶことがなければ意味がないと言われています。
 その何かとは“幸せに生きる知恵”ではないでしょうか。

 そしてそのためには、深いところを味わいながら歩いてみるといい、と。
 たとえば、歩きながら出合う様々な自然をよく味わってみれば、そこから学べることは多いでしょう。
 たとえば、自分が暮らしている地域やまわりにいる人たちをよく観察してみれば、何か気づけることがあるはずです。
 たとえば、歩きながら自分の行動や心(感情・望み・思考)を振り返ってみれば、問題があること・改善できることがわかるはずです。

 気づけること・わかること・学べることは、そんなに特別なことではなく、実は当たり前のことなのかもしれません。
 ただし、それを忘れて生活している自分に問題があるのでしょう。
 丁寧に歩くことによって、自分が(幸せに)生きるために大切なことに気づかせてくれるのではないでしょうか。

 幸せになるために、日常から離れた特別な修行は必要ない、と私は思います。
 ただし、日常生活の中で自分を育てる努力をすることが大事だと思います。
 その一つの方法として、幸せに歩くことを心がけることで、幸せを感じる練習ができるといいのではないでしょうか。



   

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