読書日記

  愛の技術を習得する

 『愛するということ』(エーリッヒ・フロム)より、
 愛の失敗を克服する適切な方法は一つしかない。失敗の原因を調べ、そこからすすんで愛の意味を学ぶことである。
 そのための第一歩は、生きることが技術であるのと同じく、愛は技術であると知ることである。

 技術を習得する過程は、便宜的に二つの部分に分けることができる。一つは理論に精通すること、いま一つはその習練に励むことである。
 愛には報われないというリスクもあります。愛の行為が失敗に終わることもある、ということです。
 でも、その経験から何かを学べば、「いい経験」にすることができ、それによって失敗を克服できるのだと思います。

 失敗の原因はいろいろあるでしょうが、「自分の愛の技術がまだ未熟だから」と考えることもできるでしょう。
 その前に、「愛は技術である」と認識することが必要なのかもしれません。
 だとすれば、技術は努力によって習得し、向上させることができるはずです。

 技術を効率的に習得・向上させるためには、理論を学ぶことと実践しながら学ぶことが大事なのでしょう。
 理論は、書物や(その技術をもっている)人から学ぶことができるでしょう。
 実践は、自分で試行してみてその結果を自省し、工夫を重ねていくことで向上させていけるでしょう。

 そういう意味では、「失敗は愛の技術を学ぶための貴重な経験」と考えられるでしょう。
 逆に、失敗がなければ成長できない部分や、失敗でしか学べないこともあるのではないでしょうか。
 失敗を恐れすぎずに、愛の行為の実践を積み重ねながら、愛の技術を習得していけるといいのでしょう。その技術を後の人生で活かすことで、人を愛する幸せをたくさん感じられたらいいのではないでしょうか。



   

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