読書日記

  最大幸福は職業の道楽化

 『自分を生かす人生』(本多静六)より、
 私の体験によれば、人生の最大幸福はその職業の道楽化にある。富も名誉も美衣美食も、職業道楽の愉快さには遠く及ばない。

 職業を道楽化する方法は努力(べんきょう)にある。あらゆる芸術と同じく、はじめの間こそ多少の苦しみはあるが、すべての歓喜も幸福も努力を通してはじめて得られることを自覚し、自分の職業を天職と確信し、迷わず専心努力するにおいては、「断じて行えば鬼神も避く」とか、「精神一到何事か成らざらん」といわれるとおり、早晩必ず仕事がよくわかってきい上手になる。上手になるに従い、はじめは自己の性格に適しないに思われた職業も、しだいに自分に適するようになり、自然と職業に面白みを生ずる。一度その職業に面白みを持てば、もはやその仕事は苦労でなく道楽に変わる。
  『仕事が楽しみならば人生は極楽だ。
   苦しみならばそれは地獄だ』 ゴーリキー

 一日の中でも、人生の中でも、仕事は長時間を占めるものです。それが楽しいか苦しいかでは大きな違いです。
 「仕事が道楽」と思えるぐらいに楽しめるようになったら、長い幸福な時間を過ごせることであり、その人の人生は幸福と言えるでしょう。

 仕事を道楽化するためには、楽しむ工夫や努力をしたほうがいいのでしょう。
 何事も上手にできるようになれば、それなりに楽しくなるものです。その前にやめてしまっては、苦しいことばかりでつらいだけで終ってしまうでしょう。
 さらに自分なりに追求していくことで、本当の面白さもわかってくるのではないでしょうか。

 仕事の目的・価値はいろいろあると思いますが、第一には「収入が得られること」があります。
 仕事で得たお金を使うことで得られる幸福もたくさんあるはずです。
 そういう意味でも、職業の道楽化は幸福につながるものです。

 仕事を「道楽」と言えるようになるまで努力できるといいのでしょう。
 もう一つ大切なのは「遊び心」のようなものではないでしょうか。



   

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自分を生かす人生』本多静六

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