人は境遇に支配されてはならない。かえってその境遇を支配していく勇気が必要である。貧乏だ、病気だ、学校に行けないとか、世間が不景気だ、先輩が不親切だなどと、親や世間を恨んだり、境遇を悲観したりするのは意気地なしの骨頂である。厳しい境遇にあっても、それを悲観してただ嘆いたり、状況や他人のせいにしたりいても、余計につらいだけです。それでは何も変わりません。
ただ残酷な目に遭った時には天の試練だと思ってこれに堪える修養をするというように、どんな苦痛、どんな境遇にも善処し、これを利用して自分の修養に資し、ますます誠実勤勉になれば自分の運命は自然に開拓されるものである。
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