読書日記
亀と兎
『イソップ寓話集』より、
亀と兎が速さのことで争いました。そこで彼らは日時と場所とを定めて別れました。ところが兎はもって生まれた速さを恃(たの)んで駆けることをおろそかにし、道をそれて眠ってしまいました。亀の方は自分の遅いのをよく知っていましたから、休まず走りつづけました。こうして亀は眠っている兎の側を走り過ぎて目的に達し、勝利の褒美を獲ました。
この話の明らかにするところは、生まれつきがゆるがせにされると、それはしばしば努力に打ち負かされるものだ、ということなのです。
「油断大敵」ということでしょう。
その原因は、兎のもって生まれた走る能力の過信と、相手の亀の遅さを侮ったからでしょう。
自分は「才能がある」「天才だ」など思って努力を怠れば、才能は足りなくても努力した人に負けるのです。
『才能の差は小さいが、努力の差は大きい。継続の差はもっと大きい』
反対に、自分は才能がないと考えて、目標をもつことをあきられるのもよくないでしょう。
才能が足りない人にはその人なりのやり方があるはずです。たとえば、自分に合った達成可能な目標をもつ、人よりも努力する、人よりも長く続ける(継続は力)など。
自分の弱さを知っている強さもあると思います。
そもそも兎と駆けっこの競争をしようと考える亀は愚かでしょう。
自分を知り、自分に合った夢や目標を愉しんで生きられるようになれたらいいのではないでしょうか。