読書日記

  葦に風

 『イソップ寓話集』より、
 葦とオリーブとが忍耐、力、不動ということで言い争っていました。葦はオリーブに、力がなくてどんな風にでもすぐなびくと悪口をつかれましたが、口をとじて答えませんでした。
 その後しばらくして強い風が吹いた時に、葦は風に吹き曲げられ、なびかされて容易く助かりました。
 しかしオリーブは風に逆らっていましたから、その烈しい力によって吹き折られました。
 「柳に風」ならぬ「葦に風」ですね。
 風が吹いたら、少しぐらい揺れたっていいんです、折れなければ。
 風がやんだら、すぐに立ち直れると、なおいいでしょう。

 「柳のように曲がれ、樫のように抵抗するな」の樫やオリーブのように、無理をして折れたり倒れたりしないように、自分を助けるように努力できるといいでしょう。
 本当に強い人とは、心が折れない人、すぐに立ち直れる人ではないかと思います。

 また、本当に強い人はめったなことでは争わないと思います。
 人から何を言われようが受け流せばいいのです。

  『人間はひとくきの葦にすぎない。自然のなかで最も弱いものである。
   だが、それは考える葦である』 パスカル

 一人の人間は弱いものです。その自分の弱さを受け入れる強さがあるから、人は考えることで、また仲間と助け合うことで、強く生きてきたのではないでしょうか。

“柳(葦)に風”流の しなやかな強さを身につけよう



   

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