読書日記
自助努力と神頼み
『イソップ寓話集』より、
或るアテナイ人が他の人々と一緒に航海していました。ところが烈しい嵐が起こって船が転覆しましたので、他の人々は皆泳いで助かろうとしていましたが、そのアテナイ人は絶えず女神アテナに助けを求めながら、もし命を助けて下さいましたら、たくさんのお供物を捧げますと約束しているばかりでした。一緒に遭難した人々の一人が彼のそばに泳いで来て「アテナのお助けを受けてあなたも手を動かしなさい。」と言いました。
災難に陥った人々は自分のために努力して、その上で神に助けを願わなければなりません。
危機に陥った時に、助かろうと努力するのは当たり前のことです。
ただ嘆いたり、助けを求めたりしていても、助けてくれる人がいなければ無駄なことです。
助かる可能性がある限り、自分で努力することが大事です。
つらい時や不幸な時に、「自分を助けよう」と努力している人はそんなには多くないでしょう。
「自分を助ける」ということを考えたこともない人もいれば、どういう意味だかわからないという人もいると思います。
たとえば、つらい時に自分を励ます言葉や心を支える言葉を自分にかける、幸せになる考え方を心がける、「いいんだよ」と言ってあげる、・・・。
もういいんだよ
神頼みは、信仰心がある人には心の支えにはなるのでしょう。
でも、その支えを力に自分が努力することが肝心なのでしょう。
『自分に対して「最良の援助者」になれ』 スマイルズ
『天は自ら助くる者を助く』
自分で努力しない人は、神様も仏様も(人も?)助けてはくれないのではないでしょうか。