
読書日記
北風と太陽
『イソップ寓話集』より、
北風と太陽が彼らの力について言い争っていました。そこで彼らのうちどちらでも、旅人を裸にさせたものの方が勝ちだと、いうことにいたしました。
そして北風からまず始めて烈しく吹きつけました。その旅人は着物をしっかり押さえましたので、北風はいっそう強く吹きつけました。しかし旅人はなおいっそう寒さに弱らされて、さらに余計な着物まで着込みました。とうとう来た風は疲れ切って彼を太陽に譲り渡しました。
太陽は最初はほどよい加減に照りつけました。その人は余分な着物をぬぎましたので、太陽はもっと強く暑さを増しました。とうとう彼は暑さに堪えることができないで、着物をぬぎ捨てて、水を浴びるために傍を流れている河にはいりました。
この話は、言ってきかせる方が、無理強いするよりも、ききめの多いことがしばしばある、ということを明らかにしています。
人に何かをさせるには、相手の心を動かすことが大事なのでしょう。その人が自らそれをしたい気もちにできればいいのでしょう。
そのためには、相手の立場で相手本位に考えることが大切なのだと思います。
『人間を動かす二つのてこは、恐怖と利益である』 ナポレオン
アメとムチをうまく使い分けられるといいのかもしれませんが、恐怖で人を動かすのはあまりよくないでしょう。
それをすることが相手の利益につながるのなら、そこをうまく説明できるといいのでしょう。
『他人の望むものを彼らに与えればそれだけ、
彼らはあなたにあなたの望むものを与えてくれる』 ロバート・コンクリン
別の利益を相手に与える代わりに、してほしいことをやってもらう、という方法もあるでしょう。
そもそも北風は、勝ち目のない賭けをしたのが間違いでしょう。
上着を着せるとか、帽子を脱がすとかなら、勝ち目はあるはずですから。
その前に、無意味に力争いをすること自体が愚かなことかもしれません。
人に何かをやらせるというのは難しいことが多いと思います。そういう必要がなければ、人のことは放っておいて、自分のやることを大切にしたほうがいいのではないでしょうか。