読書日記

  時間経過の感覚が変わる

 『フロー体験 喜びの現象学』(M・チクセントミハイ)より、
 楽しさの現象学は8つの主要な構成要素をもっている。
 最後に、時間の経過の感覚が変わる。数時間は数分のうちに過ぎ、数分は数時間に伸びるように感じられることがある。

 フローを体験している間の時間の感覚は、時計の絶対的な約束事によって測られる時間の経過とほとんど関係がないということである。
 時間の経過を見失うことが楽しさを構成する主要な要素の一つではないにしても、時間の圧力からの自由は、完全な没入状態にある時の高揚感に確かに貢献している。
 楽しいことを夢中でやっていると、時間がアッという間に過ぎる感じがします。
 それがフローな状態の特徴の一つのようです。

 何かに集中することで、時間の制約や人の目や抱えている問題などが心のスポットライトから外れることで、余計なことを考えずに楽しめることが高揚感を増すのではないかと思います。
 そして、人は幸せな(いい感じの)時間は短く感じ、不幸な(イヤな感じの)時間は長く感じられます。
 だから、フローな状態の時間は短く感じられるのではないでしょうか。

 幸せになるために、多くの人は何かを得ることや目標を達成することを考えますが、自分が幸せな気もちになれることをやることで幸せを感じる方法もあるのです。
 それに、前者は達成までに時間がかかったり達成できないこともあってなかなか幸せにはなれませんが、後者ならもっと早く容易に幸せになれるでしょう。
 夢や目標の幸せ愛の幸せも、結果の幸せだけでなく過程の幸せを大切にできるようになれば、すぐにある程度幸せになれると思います。もちろん、その先に大きな幸せを得られる可能性もあるわけです。

 フローの幸せは過程の幸せであり、日常的な幸せになり得るものだと思います。
 生活の中にフローな幸せを感じられる時間を少しでも増やしていけたらいいのではないでしょうか。



   

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