読書日記

  スローフード

 『「ゆっくり」でいいんだよ』(辻信一)より、
 さて、きみはスローフードということばを聞いたことがあるんじゃないかな?
 それは単にゆっくり食べようということじゃない。
 それも大事だけど、もっと重要なのは、「食べものは生きものである」ということを思い出すこと。そして、その生きもののまわりに流れるゆっくりとした時間を尊重すること。つまり、食べものを養殖し、栽培する人も、買う人も、食べる人も、みな「上手に待てる」ようになること。

 ぼくたちは本当にたくさんのいのちのおかげで、こうして生きている。ありがたいことだ。そのありがたさこそが、食べもののおいしさの最大の秘密なのではないだろうか。
 「スローフード」とは、「ファストフード」に対する危機感から、20年ちょっと前にイタリアで始まった運動です。

 言うまでもなく、「食べもの」はわたしたちにとって、とても大切なものです。
 それを粗略にしていないか? もっと大切にするためには?
 ということではないかと思います。

 一つの方法は、もう少し時間をかけることで、より楽しむことができるといいのでしょう。
 時間の価値は、「効率」よりも「楽しむ」ことのほうが重要なのではないでしょうか。
 ちょっとぐらい時間がかかってもいい、むしろ「楽しみに待つ」ぐらいがいいのかもしれません。
 食べものについても、テマ・ヒマを惜しまずに、じっくりと味わうことができればいいのでしょう。
 時間をかける贅沢というのもあると思います。

 また、食べものを生きものとして尊重すれば、いろんな“おかげ”“ありがたさ”に気づけるはずです。
 それらに心から感謝して食べれば、きっと幸せを感じられるのではないでしょうか。



   

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「ゆっくり」でいいんだよ』辻信一

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