読書日記

  逃げるという選択肢

 『「悩み上手」「悩み下手」』(大野裕)より、
 私たちはつらいことがあると、ここから逃げてはいけないとか、目をそらしてはいけないと考えがちになります。もちろんそれは大切なことです。
 でも、それが唯一正しい方法かというと、必ずしもそうではありません。

 もう一つ、どうしてもつらければそこから逃げるという選択肢があってもいいと思います。
 選択肢のない生き方は窮屈ですし、「他に選択肢はないのだ」と思い込むところから逃げ場を失った悩み下手が始まると言ってもいいでしょう。
 いつ、どんなときでも選択肢はあります。
 仕事や学業や人間関係などでつらい思いをすることもあるでしょう。
 すごくつらいときに、「逃げてはいけない」と思い込んでそのまま続けることで、体や心を壊してしまうのはよくないでしょう。自暴自棄になったり絶望したりして、取り返しがつかないことをしてしまうのも回避しなければなりません。
 「(場合によっては)逃げてもいい」と考えられたほうがいいのです。

 ただし、自分にとって重大なことから安易に逃げるのはよくありません。
 そういうことは、「逃げないほうがいい(でも場合によっては、逃げてもいい)」と考えられるといいでしょう。
 その場合、「(うまくやらなくてもいいから)それなりに続けよう」と考え、多少のことは我慢して、少し力を抜いてやり過ごすことができればいいのではないでしょうか。

 それでもすごくつらくて、心が壊れそうになったら、「もういいんだよ」と自分を助けてあげられるといいのです。

もういいんだよ やめてもいいんだよ

 本当に危ない時には、(一時)非難したほうがいいのです。
 (心の)危機を脱したら、また歩き出せばいいのです。
 ずっと逃げてばかりでは、もっと大きな問題を生んでしまうことがあります。

 場合によっては逃げるという選択肢を、心の片隅にでも置いておけるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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「悩み上手」「悩み下手」』大野裕

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