読書日記
経験を活かし切る理性
『決断力』(羽生善治)より、
経験を積んで選択肢が増えている分だけ、怖いとか、不安だとか、そういう気もちも増してきている。
考える材料が増えれば増えるほど「これと似たようなことを前にやって失敗してしまった」というマイナス面も大きく膨らんで自分の思考を縛ることになる。
そういうマイナス面に打ち勝てる理性、自分自身をコントロールする力を同時に成長させていかないと、経験を活かし切るのは難しくなってしまう。
経験を積んだり学んだりして選択肢や知識が増えれば、それだけ迷うことも多くなるのかもしれません。
また、失敗を体験したり先の苦難が明確に予想できたりすると、恐怖感や不安な気もちが強くなるのかもしれません。
そのために、自分の思考を縛り、行動できなくなってしまうこともあるのでしょう。
でも反対に、経験や知識があるからよりよい選択肢を見つけることができたり、正しい見通しを立てることで安心できることもあるでしょう。
経験のないこと、知らないことのほうが怖ろしいという人は多いでしょう。
問題は経験や知識をいかに活かせるかなのでしょう。
そのために必要なのが理性であり、自分(の心)をコントロールする力なのではないでしょうか。
現在の日本では知識や選択肢が多いために不幸になっている人も多いような気がします。
多くの幸せを知ることで、自分に無い幸せを想い、不幸な気もちになる人がいます。
複数の幸せな選択肢があるためにすごく迷う人もいれば、自分の選択を後悔する人もいます。
本当は幸せな選択肢が多いことは幸せなことであり、選択の自由があることも幸せなことです。(少なくとも、選択肢が無い、自由に選べないよりも)
自分をコントロールする力をつけるためには、それを心がけて生活することでしょう。少しでもうまくできるように工夫を続けることが大事でしょう。
理性を高めるためには、自分の経験から学び、それを活かして生きることの繰り返しだと思います。
その中で、自分を育てるための努力ができれば、なおいいのではないでしょうか。