『子どもに伝えたいこと、大人が考え直したいこと』


あなたはだれ?
「ワタシはワタシ」「ボクはボク」「ワタシは○○○(名前)」
あなたは世界でひとりだけ。
とっても貴重な人なんだよ。
だから、自分を大切にしようね。


 自分という存在は、全世界・全宇宙でたったひとりだけです。他にはいないのです。
 自分の人生を生きられるのは自分だけです。他の誰にもできないことなのです。

 このような意識を持つことで、貴重な自分を大切にして生きようと思うことができるかもしれません。
 どうしたら自分を大切にして生きられるのか?
 それがこのページのテーマです。

 お釈迦様が言ったという「天上天下唯我独尊」について五木寛之さんは『大河の一滴』(幻冬舎)の中で、「全宇宙でただひとり、だれとも同じではない唯一無二の自己であるからこそ、この自分の存在は尊いのだ」というふうに受けとめてきた、と書かれています。

 「世界中で自分がいちばん大切」。そう考えていいと思うのです。そう考えることから自分を大切にすることが始められるのではないでしょうか。



あなたは自分が苦しい時やつらい時に、自分を助けようとしてる?

ただ「苦しい。つらい」って言ってるだけじゃない?
悩み苦しんでいる自分をそのまま放っておいていない?
誰かのせいにするだけだったり、運が悪いと嘆いているだけじゃない?
「どうせ自分は××だから」って、あきらめていない?

苦しい時・つらい時には、自分を助けてあげよう。
そうしないのは、自分を大切にしていないってことでしょ。
いつでも自分を助けられるのは、自分だけなんだよ。


 苦しい時やつらい時に「自分を助けよう」とすることは、本来なら、人間の「自分を守る」という防衛本能にしたがって、自然に身につけていくものなのでしょう。
 でも、苦しんでいる自分を助けようとしない人がいます。自分を助ける習慣がないとも言えそうです。

 目の前で幼い子が泣いているとしたら、あなたはどうしますか?

 この世でいちばん大切な自分が苦しんでいたら、それを放っておくのはいかがなものでしょうか。

 自分を助ける習慣がない人は、それをつくる努力をすればいいのです。習慣は自分の意志で変えたりつくったりできるものです。
「自分を助けよう」と意識して、心がけを続ければ、少しずつできるようになるものです。

自分を助ける」ことは「自分を大切にする」方法の1つです。



自分にやさしくするってわかる?

たとえば、
つらい時には、「だいじょうぶ」「そのままでいいよ」って言ってあげる。
「がんばろう」「もう少しだけガマンしよう」とか、自分をはげましてあげる。
何かができた時には、「よくやった」「えらい」って自分をほめてあげる。
自分をよろこばすことを考えて、してあげる。

時には、自分にやさしくしてあげよう。


 自分を大切にするとか自分にやさしくするとか、「自分が自分に何かをする」という感覚がわからない人もいると思います。「自分に何かをしてあげる」のようなことを一度も考えたこともしたこともない人もけっこういるのではないでしょうか。

 人からなぐさめてもらう、励ましてもらう、ほめてもらう、わかってもらう、喜ばせてもらう。
 このようなことをしてもらって、うれしかった経験があるのではないでしょうか。
 誰でもこのようなことを人からしてもらいたいと心の中では願っているのではないでしょうか。

 いつでもどこでも自分にやさしくできるのは自分だけです。
 自分を大切にするためには、「自分に○○してあげる」という意識を持てるかどうかが、大きなカギのような気がします。



あなたは自分を強くしようとしてる?

自分を甘やかしてばかりいない?
ラクばかりをしようとしていない?
大変なことから逃げてばかりいない?

弱いままでは自分を大切にすることはなかなかできないんだよ。
だから、自分の体と心を強くするように心がけようね。

強くなればラクに自分をまもれるんだよ。
もっと自分がやりたいことができるようになるんだよ。


 体が弱いと、疲れやすかったり、カゼをひきやすかったり、・・・。
 心が弱いと、つらい思いをしやすかったり、傷つきやすかったり、・・・。

 弱い自分を嘆いてばかりいたり、自分はダメだとか思ってしまうのは、自分を大切にしていません。自分をいじめているようなものです。
 弱い自分をそのままにしておくのは、今の自分だけでなく、これからの自分も大切にしていないことになるのではないでしょうか。

 体が健康だからいろんなことができる。心が健康だからいろんなことが愉しめる。
 それはすごく大きなことです。健康は大きな幸せと言えるでしょう。

 体が弱いのは体質? 心が弱いのは性格?
 そういう部分もあると思います。でも、鍛えられる部分もあるはずです。

 自分を強くすることは、これからの自分を大切にするために役立ちます。



今、仲が悪い人っている?

仲が悪い人といっしょにだと楽しくないよね。
だれかとケンカしていると、気まずかったり、
つまらなかったり、悲しかったりするよね。

仲がいい人といっしょにいると楽しいよね。
仲良しの人が多いほうがいいよね。

あなたのまわりにいる人を大切にしよう。
それは自分を大切にすることになるんだよ。


 人間関係がうまくいっていないと、気もちよく生活することはなかなかできません。幸不幸の大半は人間関係に左右されてしまう人も多いのではないでしょうか。
 人間関係を楽しいものと思うか苦しいものと思うか、人づきあいが好きかイヤか。それによって、今の生活を明るく感じるか暗く感じるかが違ってくるのではないでしょうか。

 人づきあいの相手は選べる場合もありますが、親兄弟は一生選べないし、近所の人やクラスメイトや職場の人間は簡単に変えるわけにはいきません。
 日常的につきあわなくてはならない人との関係が悪いと、生活の中でイヤな思いすることが多く、イヤな気もちで過ごす時間も長くなってしまいます。

 自分のまわりの人を大切にし、いい関係を保つことは、自分を大切にすることになるのです。実生活においてはいちばん大切なことかもしれません。



すごくやりたいこと、あなたには今ある?

それをやったら感動できそうなことや、
いい想い出になりそうなことや、
それができたらすごくうれしいことや、
「よくやった」って自分をほめてあげられそうなこと。

やりたいことがやれたらいいよね。
それが自分を大切にすることにもなるんだよ。

自分が本当にやりたいことを見つけて、
やれるように努力しようね。自分のために。


 自分がやりたいことがやれるということは、いちばん幸せなことなのかもしれません。

「やりたいことがわからない」という人がいます。
「やりたいことができない」という人がいます。
そう言うだけで何もしない人は自分を大切にしていません。

 自分がやりたいことがわからない人は、真剣に探せばいい。それが見つかるまで探し続ければいい。
 やりたいことができないという人は、できるように一生懸命に努力すればいい。1つがダメなら他のやりたいことを探せばいい。

 自分の「やりたい気もち」を大切にしてあげることが、自分を大切にすることになるのです。



あなたはどんな人になりたい?

強い人? やさしい人? 楽しい人? 明るい人? 落ちついた人?
有名人? えらい人? 大金持ち? スーパースター?
何かができる人? カッコいい人? モテる人?
人を愛せる人? 人の役に立てる人? いつも幸せでいられる人?

あなたらしい「なりたい自分」になれるようにしていこうね。


 目的地を目指して前進すれば、それに近づくことができます。
 目的地がはっきりしないと、どっちの方向へ行っていいかもわからないし、右往左往してなかなか前には進めません。結局、どこに行き着くかもわかりません。それはそれでいいのかもしれませんが。

 少しでも「なりたい自分」に近づけることは、自分を大切にすることになります。
 その前に「なりたい自分」をはっきりさせることが必要ですが。

 私たちは月には行けるかもしれませんが、他の星に行くことは無理でしょう。
 頭の中では描けても、現実の自分には「なれない自分」もあります。
 自分がなれそうな「なりたい自分」、自分らしい「なりたい自分」を思い描くことも大事です。

「なりたい自分」があるのなら、それに向かって今できることを続けていけば、少しずつ近づくことができるでしょう。時がたてば、それなりの「なりたい自分」になれるのではないでしょうか。



あなたは何になりたい?
あなたの将来の夢は何?

なんでもいいけど、
考えるとワクワクするようなこと、
考えようね。


 将来について考えて、悪い想像をしてしまうと暗い気もちになってしまいます。悪い想像ばかりしていると自分の人生が暗いものだと思ってしまいます。
 将来について考えて、夢や希望のある想像ができると明るい気もちになれます。夢や希望があれば、多少現在に問題があっても、生きていく力が湧いてきます。

「夢も希望もない」と思ってしまう人は不幸になってしまいます。生きる力がなくなってしまいます。そこで簡単にあきらめてしまうのは、自分を大切にしていません。
 夢や希望は探し続ければ、きっと見つかるものだと思います。

「人は自分が考えるようになる」と言われます。自分が考えられない道には進めません。
「どうせ自分は△△にしかなれない」と考える人はだいたい△△になるのでしょう。それでは自分の可能性を最初から捨てているようなものです。

 明るい将来の可能性を見つけて、それを目指すから、いい結果が期待できるのです。そもそも、将来を明るく考えて生きるのと、暗く考えて生きるのと、どちらがいいのでしょうか。



あなたはこんなこと、考えることある?

私はだれ? 何がしたいの? 何になりたい? 将来の夢は?
何のために勉強するの? 何のために生きているんだろう?

こういうことを考えるのは大事なことなんだ。
でも、考えすぎないでね。苦しくなるまで考えちゃダメだよ。
答えがまだ見つからなくてもいいんだよ。ゆっくり考えようね。

まだわからないことがいろいろあっても、
どうせ生きるのなら、幸せに暮らせたほうがいいよね。

ところで、「幸せ」って何だかわかる?


「何のために生きるのか?」「なぜ生きなければならないのか?」「生きることにどんな価値があるのか?」「自分はなんのためにいるのか?」とかは、別に考えなくても生きていけます。
 今のままで幸せに暮らせる人は、それでいいのでしょう。

 このような哲学的な問題を考えるのは、幸せになるための「答え」を見つけたいからだと思います。
 その答えはなかなか見つからないかもしれません。それでもかまいません。時間をかけてゆっくりと考えればいいと思います。
 何かヒントが見つかれば十分でしょう。よく考えることは自分を育てることにつながり、きっと自分のためになると思うのです。
 自分の人生を大切にするためには、生きること/自分の生き方についてよく考えたほうがいいのではないでしょうか。

 「答え」が見つからなくても、幸せに暮らすことはできます。
 そのためにまず、「(自分の)幸せ」について考えてみるのもいいでしょう。


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