『子どもに伝えたいこと、大人が考え直したいこと』

2.自分にやさしくする


「どうして自分はこんなに弱いんだ」「どうせ自分はダメだ」
つらい時に、こんなふう考えてしまうこと、ない?
それは、自分で自分をいじめているようなものなんだよ。

つらい気もちが続いてしまった時には、
「もうこのぐらいでいいんじゃないの」「これ以上苦しむことはないよ」
こんなふうに言えるのが、自分にやさしいんだ。

どうしようもないこともあるんだよ。
そんな時には「そのままでいいよ」って
自分に言ってあげられるといいんだけどね。

すごくつらい時には、自分をいじめたりないで、
自分にやさしくしてあげよう。


 自分を責めても、つらいだけで、何もよくなりません。
 「自分はダメだ」と考えてしまうのは、自分に冷たすぎます。
 無意識に自分をいじめているのに気づいたら、そんなことはすぐにやめて、自分にやさしくしてあげることを考えてあげたほうがいいのです。

 イヤな事やつらい事があって、その事を考えてしまうのはしかたがありません。(これからの自分のために)何かいい方法を考えられるのならいいですが、それが簡単にできないようなことだから長い時間つらい思いを続けてしまうのではないでしょうか。そんな時には、いつまでもその事を考え続けないように、「もういいんじゃないの」などと自分でストップできたらいいのですが。

 いくら考えてもどうしようもないこともあります。(今の)自分には無理な要求をしても、自分を苦しめるだけです。そんな時には、「今はしかたがないんじゃないの」「これはこのままでもいいんじゃないの」「そのままでいいよ」などと自分に言えるのが、自分にやさしいのです。「すんだことはしょうがない」「まぁいいか」などでもいいでしょう。





どうしたらいいかわからなくなった時、
自信がなくなった時、不安な時、・・・
「だいじょうぶだよ」って
自分に言ってあげるといいんだよ。

だれかのことが気になってるんだったら、
「あの人はあの人、ワタシはワタシ」
「マイペース、マイペース」
こんなふうに考えるといいかもしれないよ。

これから先のどうなるかわからないことは、
「なるようになるさ」「あしたがあるさ」って
考えちゃってもいいんじゃないかな。


 自信がなくなったり不安になってしまうことがあります。そんな時に「大丈夫だよ」と言ってくれる人がいたら、どんなに心強いでしょうか。
 いつでも自分を大切にできるのは自分です。「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせるだけでも少しは心が落ちつきます。

 人と自分を比較してあせったり落ち込んでしまう時があります。そんな時には、「人は人、自分は自分」と考えられるといいのですが。

 いくら考えてもわからないこと、やってみなければわからないことは、「なるようになる」と思ってしまったほうがラクになれます。ある程度考えたのなら、いつまでも不安な気もちでいるよりもいいでしょう。
「明日があるさ」と思えれば、少しは明るい気もちになれます。

 心が揺れてしまうことは誰にもあります。そんな心を少しでも支えてあげるのが自分にやさしくすることになるのです。





何かをはじめる前、
「よし、やるぞ」「がんばろう」「だいじょうぶ」「できる、できる」
「いっしょうけんめいにやればいいんだ」「ゆうきをだしてやってみよう」
こんなふうに自分をおうえんしてあげるといいんだよ。

何かをやってる時、
「もうちょっとだ、がんばろう」「がんばれ」
「もう少しだからガマンしよう」「だいじょうぶ」
こんなふうに自分をはげましてあげるといいんだよ。

何かをやりおわったら、
「よくやった」「えらい、えらい」
こんなふうに自分をほめてあげるといいんだよ。


 あなたは自分を応援してあげることがありますか?

 人から「頑張ろう」と言われても頑張れない時がありますが、自分で「もうちょっと頑張ろう」と言えれば少しは頑張れます。

 何かができないのは、応援が足りないからかもしれません。
 もっと自分を応援してあげたら、できることもあるのではないでしょうか。

 自分をほめることは自分を育てることにつながります。自分をほめることで、少しずつ自信を育てることができます。

 自分を応援できる人はずっとやっている。できない人はずっとやっていない。
 当たり前かもしれませんが、それによって結果が違うこともけっこうあるのではないでしょうか。
 それが習慣になっているかいないかで、少しずつ差がひらいてしまうのかもしれません。





イヤなことがあったの? でも、いいこともあったでしょ?
うまくできないことがあるの? でも、うまくできることもあるでしょ?
いじわるな人がいるの? でも、やさしい人もいるよね。
何か欠点があるの? でも、長所もあるはずだよ。

わるいことばかり考えていないで、いいことも考えたほうがいいよ。

かなしいの? でも、いつかはかなしくなくなるよ。
苦しいの? でも、いつかは苦しくなくなるよ。
できないの? がんばればできるようになるかもしれないよ。
わすれられないの? きっといつかはわすれられるよ。

今はわるい時かもしれないけど、
いつかはいい時がくるってことを、思い出せるといいんだけどね。


 「××もあるけど、○○もある」
 このように、悪いことと考えてしまった時に、続けていいことも考えるといいのです。
 1つのイヤな事にとらわれてイヤな気分で過ごすより、いい事も含めて考えることで、少しはラクになれます。
 1つの事は一面の見方です。反面もあるし、全体もあります。ちょっと高い視点から、見ることができるようになると、1つのイヤな事だけにとらわれずにすみます。

 「今は××だけど、いつかは○○」
 「今は××な時もあるけど、いつかは○○」
 「今は××なところもあるけど、(努力すれば)いつかは○○」
 このように、今を悪く考えてしまった時に、将来のいいことを考えるのもいい方法です。希望が湧けば心が少しは明るくなります。
 時間の魔力はすごいものです。どんな問題も時間がたてばなんとかなります。必ず平静に生活できるようになります。
 努力していればいつかはよくなるという希望をもてます。

 完全にできないと、1つでもミスをすると、1つでも欠点があると、・・・イライラしてしまう、我慢できない、許せない、自分を責めてしまう。このような人がいます。完璧主義の人は特に極端です。
 悪いことばかりを考えてしまうのがクセになっている人もいます。いいことはぜんぜん考えられない人もいます。
 悪いことを考えて落ち込んでしまった時には、「いいことも考える」ことを心がけてみてはどうでしょうか。それが自分にやさしくすることになるのです。





今の自分にいいことを考えてあげよう。

つまらない時には、「何か楽しいことをしよう」
気分がわるい時には、「気分をよくしよう」
さびしい時には、「だれかと話をしよう」
こまった時には、「だれかに相談しよう」
つかれている時には、「ゆっくり休もう」

たまには、自分をよろこばすことを考えて、
自分のためにしてあげよう。


「気分転換をしよう」「ストレスを発散しよう」
 このように自分で考えられる人と考えられない人では、生活実感が大きく違うでしょう。

「何か楽しいことをしよう」「好きなことをやろう」「好きな人と話をしよう」「自分を喜ばすことをしよう」などと、今の自分にとっていいことを提案してあげるのも自分にやさしくするいい方法です。

 時には、今自分が何をしてほしいかを考え、できることなら自分で自分にしてあげればいいのです。一生懸命に考えてあげれば、きっと自分にしてあげられることが見つけられるはずです。たとえば、「今なんて言ってほしい?」って自分に聞いて、自分で言ってあげてみてください。そのひと言で少しはラクになれたりします。

 自分がつらい時にそのまま放っておく、自分に何もしてあげないというのは、自分にやさしくありません。
 自分をいじめているような人もいます。心の中で自分を責める、自分をバカにする、「どうせ自分は」などと自分をあきらめる、イヤなことばかり考える、などです。

 人からやさしくしてもらったらうれしいでしょう。
 人にやさしくすることはいいことです。
 世界でいちばん大切な自分にやさしくすることもとてもいいことです。


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