読書日記

  8 痛みの幸福(マゾヒスト)

 『「裸のサル」の幸福論』(デズモンド・モリス)より、
 バランスのとれたごく普通の快活な人にとって、これはもっとも理解しがたい類の幸福でしょう。どうすれば痛みを快楽と見なすような精神状態に至るのでしょうか?

 精神的マゾヒストにはいくつかの形式があります。過剰な健康志向者、ダイエット奴隷、禁酒主義者、菜食主義者、反喫煙者、独身主義者、それぞれが特殊な関心の対象を持っています。
 肉体的なマゾ(ヒスト)は(快感を感じる)感覚の問題ですから、人体の不思議の一つというしかないでしょう。
 ただし、肉体的な痛みについても心(望みや考え方)の影響はあると思います。たとえば、痛みをイヤがっていると余計に痛みを感じ、痛みを受け入れれば(早く慣れて?)痛みは軽くなる気がします。快感と思える心理はわかりませんが。

 精神的マゾヒストの例として、ここに挙げられたような人はけっこういると思います。
 極端でなければ、ごくふつうの人です。健康志向の人、ダイエットしている人、酒を飲まない人、菜食好みの人、非喫煙者、独身の人。
 そのことに精神的な快楽を感じる人が精神的マゾヒストなのでしょうが、そこまでの人は少なそうです。

 肉体的・精神的いずれにしても、人の迷惑にならないようなら、マゾヒストでも問題はないはずです。
 世の中にはいろんな人がいるのです。そういうストイック(克己的・禁欲的・厳粛的)なことを好んでやる人もたくさんいるのです。そういうことに快感を感じるマゾヒストも中にはいるのです。
 そういう人がいてもいいし、自分がそういう快感を幸福に思えるのなら、それでいいのではないでしょうか。



   

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