読書日記

  他人と自分の比較

 『心がスーッとなる ブッタの言葉』(アルボムッレ・スマナサーラ)より、
 そもそも、仏教では他人と自分を比較するという行為自体を、退けます。それはわれわれの生き方を不幸なものにするエネルギーになるからです。
 比べることをやめれば、幸せが訪れます。それでもわたしたちは、他人と自分を比べることをやめられないのです。
 「比較は不幸になる考え方」です。
 世の中には上には上がいます。自分より上の人と比べたら、イヤな気もちにならざるをえません。
 反対に、自分より下の人と比べて優越感を感じるのは、人間としてどうかと思います。
 いずれにしても、他人と自分を比較するのは不幸の元です。

 と言っても、比較の考え方を「やめよう」と思っても、やめられないでしょう。「やめよう」「しちゃいけない」などと思うのは逆効果です。
 比較の考え方はクセになっていることが多く、ついやってしまうものです。
 つい他人と自分を比較する考えをしてしまっても、「またやってる」「またこのクセだ」などと気づいて、「(不幸になる考え方は)やめよう」とストップできればいいのです。「こんなことを考えるより、○○をしよう」のように切り替えられると、なおいいでしょう。
 不幸になる考え方をやめれば、イヤな気もちは鎮まっていくものです。他のことを始めれば、自然に忘れられます。気分がよくなれることを始められると、さらにいいでしょう。

 どうせするのなら、他人と自分を比較するのではなく、過去の自分と現在の自分を比較して、「以前に比べたら、少しは進歩/成長できた」のように思えるといいでしょう。
 自分を育てる努力をちゃんと続ければ、「1年前に比べたら、少しは幸せに暮らせるようになれた」と、きっと思えるでしょう。
 ということは、「このまま努力を続ければ、これからも少しずつ幸せになっていける」とも思えます。そう思って生きられるようになるのは、とても幸せなことです。

 「人は人(でいい)、自分は自分(でいい)、違っていていい」と思えるようになれば、他人と自分を比較することもだんだんなくなっていくのではないでしょうか。



   

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