読書日記

  できるだけのことをする

 PHP8月号の特集は『もう一度がんばれる!こころの立てなおし方』。
 岸本葉子さん(エッセイスト)は、
 これまでの人生で心の立て直しがもっとも差し迫った課題になったのは、40歳で進行がんがわかり治療した後のことです。
 こうすれば望む結果が得られると保証があってはじめたのではない。望む結果が得られなくともできるだけのことをした、せいいっぱい生きたと、後悔がなくてすむよう、今現在の自分の気もすむよう、こうしている。その出発点を忘れずにいよう。
 そんなふうに、ときにぐらついては立て直すことを繰り返すうち、がんが再発することなく10年が過ぎました。
 大きい問題を抱えているとき、これをやればいいのではないか、というのはある。でも、それをやれば本当にうまくいくのか、自分が望む結果が得られるのか、確信がもてないことが多いでしょう。
 そういう場合、それをやるか、やらないかの判断は難しいところです。

 他にやったほうがいいことがないのなら、何もしないよりもやったほうがいい(結果になる可能性が高い)ことが多いでしょう。
 他にやれることがある場合、すべてやれればいいのでしょうが、どちらかを選択しなければならないこともあるでしょう。その際には、一方がやれないのはしかたがありません。
 やれることがたくさんある場合には、その中からどれとどれをやるかの選択です。

 望む結果が得られるかどうかわからなくても、「今の自分にできるだけのことをする」ことが大事なのでしょう。
 そうすれば、「やれることはやっている」と思え、今現在の自分の気もすむでしょう。
 「できるだけやった」と思えるのなら、後悔もしなくてすむでしょう。
 「常にベストを尽くした」と思えれば、せいいっぱい生きたと言えるのではないでしょうか。

 自分にとって大事な問題には、「できるだけやろう」「ベストを尽くそう」という姿勢を忘れずに、時には落ち込んでも何度でも立て直せるようになれるといいのではないでしょうか。



   

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