読書日記

  共存共栄

 『自分を生かす人生』(本多静六)より、
 われわれは、互いに社会を形成して生活しているのだから、自分の欲望を満たす行為が、他人のそれと調和を欠いてはならない。
 もしそれが社会の希望に反し、社会の調和を破るようであれば、いつかは他人から妨害されて自分の幸福が破壊されることになる。
 すなわちそれが社会的に共存共栄であって、自分の欲望も満たされ、同時に他人の希望も満たされるというところに、はじめて完全なる幸福が味わわれるのである。
 自分が幸福になるために他人の幸福と調和を欠いてはならない、と同様なことを書いている人がいます。

 幸せの3つの条件(『人生談義』松下幸之助より)
 1.自分が幸せだと感ずること。
 2.世間の人びともその幸せに賛意を表してくれること。
 3.人間の共同生活の正しい進歩向上に即したもの。

 幸福のための4条件(『不幸論』中島義道より)
 1.自分の特定の欲望がかなえられていること。
 2.その欲望が自分の一般的信念にかなっていること。
 3.その欲望が世間から承認されていること。
 4.その欲望の実現に関して、
   他人を不幸に陥れない(傷つけない、苦しめない)こと。

 他人の幸福と調和を欠かない、他人を不幸に陥れないというのは、人に迷惑をかけない、悪いことをしないというようなものも含むと思います。
 さらには、社会的共存共栄、共同生活の正しい進歩向上に即するというのは、善いことをする、人の役に立つのようなものが含まれるでしょう。善いことをすることが、世間からの賛意・承認を得ることにもつながるでしょう。実際に人からの賞賛がなくても、賛意が得られるであろうと自分が思えることならいいのではないでしょうか。

 さらに言えば、自分の心の中に後ろめたさややましさがない、というようなことではないかと思います。
 そういう意味では、「人を幸福にする」ことは、完全なる幸福につながる究極の幸福になる方法ではないかと思います。
 「誰かのため」になるような夢をもつことか、人を幸福にできるようになれたらいいのではないでしょうか。



   

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自分を生かす人生』本多静六

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