幸福は、自己の欲望が以前に比較して満足すべき状態だと感じる感情であるから、幸福はまたその生活程度の向上に伴うものであるということができる。だから、自分の育った家の生活程度すなわち出発点から自己の努力でしだいにその生活が向上することによって幸福となり、低下すれば不幸と感じる。幸福は、自分の生活(環境・状況)を自分の心がどう考え・どう感じるかによって決まります。
いったい人生の幸福は、現在の生活程度自体よりはむしろその生活の方向が上り坂か下り坂か、上を向くか下を向くかで決定せられるものである。つまり、人の幸福は出発点の高下によるのでなく、出発後の方向のいかんにあるのだ。
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